日本語音声をそのまま活かした状態で多言語に変換
音声認識技術や機械翻訳技術などの研究が進む中、日本語を多言語に翻訳して音声出力させるシステムやサービスが注目されてきた。しかしこれまでは、話者の声の特徴を反映させる形での音声変換はできず、機械的な音声出力のレベルに留まっていた。前身時代も含めると、ニッポン放送は70年近く関東広域圏を放送対象地域とした放送事業を行ってきた。海外事業の検討も進めているが、言語の壁によって本格化できない状態が続いていた。
「リングイイネ!」は話者の日本語音声をそのまま活かした状態で、多言語に変換できるツールだ。28の言語に対応し、他の言語から日本語への音声変換もできる。
サービス名は、イタリア語のLingu(言語、舌)に由来している。同社は、本格的な実用化を視野に入れ、国際特許を出願中。今後はテストマーケティングを経て商品化、販売を検討していくという。
第一弾の取り組みとして、「ニッポン放送 Podcast Station」で配信中の日本語コンテンツを多言語に変換し、海外のポッドキャストマーケットへの配信を行っていく予定だ。
「リングイイネ!」デモンストレーション動画
【Before(日本語のもの)】
(ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記です。今、私はこうして日本語で話していますが、自分が話した言葉が自分の声で英語に変換されるツールをニッポン放送が開発中だということで、デモンストレーション用にしゃべっております。自分が流暢な英語を話している場面はあまり想像できないんですが、果たして結果はどうでしょうか?)
【After(英語のもの)】
(I am Hisanori Yoshida, an announcer from Nippon Broadcasting System. I am now speaking in Japanese, but for demonstration purposes, Nippon Broadcasting System is developing a tool that converts my speech into English using my own voice. I can't really imagine myself speaking fluent English, but I wonder what the result will be?)