近年、スマートフォンやスマートテレビ、コネクテッドTVが普及したこと、サブスク型の動画配信サービスの隆盛、長く続いたステイホーム期間によって、テレビの視聴状況・習慣は大きく変化を遂げ、テレビ各社も視聴者の変化にあわせて自社アプリの運営に力をいれている状況がうかがえる。
これらのサービス利用者の増加は著しく、総務省の調査で「オンデマンド型の動画サービス」の利用率は、2018年の16.2%から2022年の52.1%と3倍程度に増加しており、今後もテレビアプリを利用した番組視聴は増え続けると考えられている。
《主な調査結果》
■TVの保有台数は「1台」(43.2%)、「2台」(26.8%)、「3台以上」(22.6%)、「持っていない」(7.4%)で、TVの保有割合は約93%だった。
■平日・休日ごとのテレビ・テレビアプリそれぞれの平均視聴時間は、平日で「テレビ」(3.2時間)、「テレビアプリ」(1.1時間)。休日で「テレビ」(4.4時間)、「テレビアプリ」(1.4時間)となっている。
■テレビを利用する理由TOP3は「大きい画面で観たいから」(41.0%)、「暇な時になんとなくテレビをつけて観る習慣があるから」(35.3%)、「食事をしながら観たいから」(32.9%)と様々だ。
■テレビアプリを利用する理由TOP3は「見逃し配信を観ることができるから」(48.2%)、「場所を選ばずに観ることができるから」(33.1%)、「個人的に観たい番組を観たいから」(25.7%)とニーズが分かれた。
■認知率・利用率上位のテレビアプリ TOP3は「TVer」、「ABEMA」、「Paravi」だった。
家のTVは何台?
TVの保有台数は「1台」(43.2%)、「2台」(26.8%)、「3台以上」(22.6%)、「持っていない」(7.4%)で、TVの保有割合は約93%だった。
年代別で特徴的だった点としては、20代で「1台」が半数を超えているとともに、「持っていない」も10%を超えており、全体よりもテレビの平均保有台数・保有割合がともに5ポイント以上低いことがわかった。反対に、60代では「2台」(32.3%)、「3台以上」(33.8%)とテレビの複数台保有が7割を超えている。
テレビ・テレビアプリの平均視聴時間
平日・休日ごとのテレビ・テレビアプリそれぞれの平均視聴時間は、平日では「テレビ」(3.2時間)、「テレビアプリ」(1.1時間)。休日では「テレビ」(4.4時間)、「テレビアプリ」(1.4時間)だった。
テレビの視聴時間は平日で約3時間、休日はさらに1時間多く見られている。また、テレビアプリは平日・休日を問わず1時間程度見られていることがわかった。
テレビを利用する理由TOP5
テレビを利用する理由TOP5は、「大きい画面で観たいから」(41.0%)、「暇な時になんとなくテレビをつけて観る習慣があるから」(35.3%)、「食事をしながら観たいから」(32.9%)、「リアルタイムで観たいから」(27.3)、「他の作業をしながらテレビを観たいから」(23.9%)となっている。
年代別に特徴的だった点は、「大きい画面で観たいから」は10~30代でいずれも30%台と低い半面、年代が高くなるにつれて50代(48.1%)・60代(54.6%)と全体よりも高くなっている。
テレビアプリを利用する理由TOP5
テレビアプリを利用する理由TOP5は、「見逃し配信を観ることができるから」(48.2%)、「場所を選ばずに観ることができるから」(33.1%)、「個人的に観たい番組を観たいから」(25.7%)、「地方テレビ局だと観ることができないけどアプリなら観ることができるから」(16.9%)、「アプリ限定の番組を放送しているから」(15.1%)だった。
年代別に特徴的だった点は、「大きい画面で観たいから」は10代から30代で30%台と低い半面、年代が高くなるにつれて50代(48.1%)・60代(54.6%)と高くなることがわかりました。
テレビアプリの認知・利用状況TOP3
認知率上位のテレビアプリTOP3は、「TVer」、「ABEMA」、「Paravi」だった。
各サービスの認知・利用状況は、「TVer」は認知(58.1%)、インストール経験(35.7%)、利用(33.7%)、最も利用(26.9%)だった。
「ABEMA」は認知(48.4%)、インストール(20.4%)、利用(18.2%)、最も利用(8.7%)だった。
「Paravi」は認知(30.6%)、インストール(4.0%)、利用(3.0%)、最も利用(0.5%)となった。
認知から利用のいずれの過程でも「TVer」が1位となっていることがわかった一方で、1位の「TVer」で認知6割、2位の「Abema」で5割未満と、未だ拡大の余地があることがわかる。
年代別で特徴的だった点として、「ABEMA」で、認知・利用のすべての過程で全体と比較し10代が5ポイント以上高い結果となった。
TVアプリ認知率ランキング(15~69歳 n=4,800)
テレビアプリで観ている番組ジャンルランキング
テレビアプリで観ている番組ジャンルTOP5は、「ドラマ」(25.2%)、「バラエティ」(17.2%)、「アニメ/特撮」(14.0%)、「映画」(10.7%)、「スポーツ」(9.9%)、「ニュース/報道」(6.1%)、「ドキュメンタリー/教養5.5%)、「趣味/教育」「4.9%)、「海外映画」(4.7%)、「情報/ワイドショー」(4.1%)だった。
テレビとの比較では、テレビで観られている割合の高い「ニュース」や「スポーツ」のような、リアルタイム性の高いジャンルはテレビアプリで観られている割合が高くないことがわかった。
テレビアプリで観る番組で特徴的だったのは、「ドラマ」で男性(16.7%)、女性(33.7%)と、女性がテレビアプリを活用してドラマを観る傾向が高いことが判明。また「アニメ」で10代(26.4%)と、全体よりも10ポイント以上高い結果となっている。
《総論》
調査結果からは、TVの保有台数は年代が若いほどやや低く、年代があがるにつれ複数台を持つ割合が高くなること。テレビの平均視聴時間は約3~4時間、テレビアプリの平均視聴時間は約1時間であること。
テレビアプリの認知・利用TOP3はTVer、ABEMA、Paraviであること。
テレビを利用する理由TOP5は「大きい画面で観たいから」、「暇な時になんとなくテレビをつけて観る習慣があるから」、「食事をしながら観たいから」、「リアルタイムで観たいから」、「他の作業をしながらテレビを観たいから」であること。
テレビアプリを利用する理由TOP5は「見逃し配信を観ることができるから」、「場所を選ばずに観ることができるから」、「個人的に観たい番組を観たいから」、「地方テレビ局だと観ることができないけどアプリなら観ることができるから」、「アプリ限定の番組を放送しているから」であることがわかった。
【調査概要】モニタス『テレビアプリに関する調査』
調査方法:全国の15~69歳を対象としたインターネットリサーチ
調査期間:調査期間:2023年11月24日(金)~27日(月)
有効回答数:4,800名
出典:総務省|令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|第5章5-3 動画共有・配信サービス等の利用率等|【経年】動画共有・配信サービス等の利用率(全年代)
https://www.soumu.go.jp/iicp/research/results/media_usage-time.html