近年の映画市場では、Z世代の支持がヒットの行方を大きく左右している。同調査では、彼らが次に「映画館で観たい」と考える作品の傾向を明らかにするとともに、前回の調査で“観たい”と回答された夏映画が実際にどれほど鑑賞されたのかを追跡。初期の興味(鑑賞意向)と実際の行動(鑑賞実績)を分析し、Z世代の映画鑑賞行動の核心に迫った。

冬の観たい映画1位は『ズートピア2』

 Z世代がこの冬最も観たい映画は、ディズニーの人気アニメ続編『ズートピア2』となった。2位には、新海誠監督のアニメを実写化した『秒速5センチメートル』がランクインし、強いIPと話題性のある実写化作品への関心の高さを示した。

鑑賞の決め手は「原作の安心感」と「SNSでの話題」

 鑑賞動機の1位は「原作が好きだった」。未知の作品に出会う新規性よりも、既に認知されたコンテンツを深く楽しむ傾向が鮮明になった。また、ホラー映画の鑑賞実績が意向を上回るなど、SNS・口コミの影響力が明らかになった。

テレビドラマ作品も高い認知

 「テレビ離れ」が指摘されるZ世代でも、テレビドラマ原作映画の認知度と鑑賞実績は高い。これは、TVerやSNSによる情報接触に加え、人気キャストの出演が映画館へ足を運ぶ動機となった。

Z世代も『国宝』を鑑賞、好きなアーティストはミセスが不動の1位

 男女ともに「観て良かった映画」は『鬼滅の刃』が1位となり、『国宝』などのヒット作も上位にランクインした。好きなアーティストでは、前回調査に続き男女ともに「Mrs. GREEN APPLE」が1位となった。

Z世代が選ぶ「2025冬 映画館で観たい映画」ランキングTOP10

 この冬(10~12月)Z世代が「映画館で観たい映画」1位に選んだのは『ズートピア2』で、映画のタイトルを知るきっかけとして最も多かったのは「映画館での予告」となった。これは『鬼滅の刃』や『国宝』といった話題作がZ世代を映画館に惹きつけ、その結果、新作映画の予告編(広告)に触れる機会が増えたためと考えられる。

 続く2位には、新海誠監督のアニメの実写化『秒速5センチメートル』、人気コミックを実写化する『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』、人気のアイドルアニメをクロスオーバーさせた『アイカツ!×プリパラ』が3位と、原作認知度の高い作品が上位を占めた。

 また、10位には『TOKYO MER』同様、TBSテレビ「日曜劇場」で放映されたドラマを映画化する『映画ラストマン -FIRST LOVE-』がランクインした。幅広いジャンルの作品がトップ10に並ぶ結果となった。

調査の詳細

Z世代に流行る映画を予測するため、Z世代のトレンドと、この冬観たい映画に関するアンケート調査を実施。

【調査期間】2025年9月5日(金)〜9月22日(月)
【調査対象】全国12歳~24歳男女、計1200サンプル(中学生400、高校生400、大学生400)
【調査方法】アンケートメディアアプリ「Powl(ポール)」によるweb調査
【調査会社】株式会社テスティー
【調査主体】株式会社シネブリッジ

関連リンク