【サイバーエージェント】クリエイティブ生成AIプラットフォーム「AI SCREAM」がGoogle「Veo 3.1」導入で動画制作機能を拡張

AI SCREAMの概要と機能強化

　「AI SCREAM」は、商用利用可能な複数の画像・動画生成AIモデルを搭載し、静止画・動画・音声など多様なクリエイティブ素材の生成から編集までを、直感的なUIでシームレスに完結できるシステムである。従来のモデルと比べてストーリーの一貫性の維持や編集の自由度が大幅に向上した「Veo 3.1」の実装により、映像生成の精度と表現力の強化が期待できる。

著作権保護への取り組み

　同社では、著作権を侵害せず安全に利用できる生成AIへの社会的ニーズの高まりを受け、2024年2月に「画像生成AIガイドライン」を策定し、法令を遵守した上での適正なAI活用を推進している。こうした取り組みのもと、広告・コンテンツ制作の現場でのAI活用をさらに促進するべく、クリエイティブ生成AIプラットフォーム「AI SCREAM」を開発した。

実運用での成果

　「AI SCREAM」は、2024年2月の社内正式提供開始以来、6万点以上の生成素材が広告事業を中心とした実際のクリエイティブ制作現場で広く活用されている。特に、クリエイターがストック素材サイト等から素材を探索する従来の制作手法と比較し、迅速かつ大量、そして高品質な映像素材の生成を実現し、クリエイティブ制作における生産性の飛躍的な向上を支援してきた。

Google Cloudとの技術連携

　さらに、同社は広告効果の最大化を目指し、Google Cloudによる技術支援のもとGoogleの生成AIモデル「Veo」・「Imagen」・「Nano Banana」などの本格利用を通じて、クリエイティブ制作における生成AI活用の高度化を推進している。

Veo 3.1の特徴と機能

　「Veo 3.1」はGoogleが2025年10月に発表した最新の動画生成AIモデルで、高品質な音声付き動画を生成できることが特徴である。プロンプトの再現率が高く、映像の一貫性、被写体の自然な動き、物理的な整合性が従来モデルと比べて大きく改善され、よりリアルな映像表現を実現する。

広告制作現場での活用範囲拡大

　今回の「Veo3.1」実装により、「AI SCREAM」上で生成可能な映像の幅が大きく広がった。広告制作の現場においては、企画段階のイメージ映像から表現検証用のプロトタイプ、最終的な動画広告クリエイティブまで、目的に応じた多様な映像生成が可能となる。

権利保護への配慮

　なお「画像生成AIガイドライン」に基づき、既存の著作物や作家名・作品名などを入力しない運用を行うほか、生成物の類似性チェックを実施するなど、著作権をはじめとする権利保護に配慮した利用を徹底していく。

今後の展開と事業戦略

マルチモーダル生成の拡充

　今後も「AI SCREAM」は、画像・映像・音声といったマルチモーダル生成の拡充を進め、より自然で創造的な制作体験を提供していく。あわせて、社内で培った開発・運用ノウハウを活かし、企業のクリエイティブ制作に関する業務改革を支援する「AIクリエイティブBPO事業」として外部企業への展開を強化。これらの取り組みを通じて、「AI SCREAM」を“自社活用のためのツール”から“企業の制作基盤を支えるプラットフォーム”へと進化させていく。