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【映像】永瀬九段が藤井竜王・名人から勝利を飾る瞬間

 将棋の第17回朝日杯将棋オープン戦本戦トーナメント準決勝が2月10日に行われ、永瀬拓矢九段(31)が藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)に129手で勝利し初優勝を飾った。終局後に行われた会見では、同一カードで行われた昨秋の王座戦五番勝負の“死闘”後に「魂が抜けた状態に」なったことを告白。それでも、歩みを止めることなく本局でリベンジを達成し「努力が報われてよかった」と喜びを噛みしめていた。

【映像】永瀬九段が藤井竜王・名人から勝利を飾る瞬間

 不屈の人・永瀬九段が大きな勝利を手にした。初優勝をかけて臨んだ決勝戦では、昨秋に行われた王座戦五番勝負で死闘を繰り広げた藤井竜王・名人とのカードに。4期守ったタイトルを譲り、史上初の八冠王を誕生させた敗退からのリベンジを期し大舞台へと臨んだ。注目の一戦は先手となった永瀬九段が「自分の中での課題の将棋をぶつけた」と矢倉を志向。研究の鬼としても知られる永瀬九段が温め続け、練りに練った秘策を披露し絶対王者を圧倒、快勝を飾ってみせた。

 長年の研究パートナーで厚い信頼を寄せる藤井竜王・名人から挙げた大きな勝利。終局後に行われた会見で「王座戦の借りはどのくらい返した?」と“変換率”を問われると、「王座戦では3敗したので、33%くらいでしょうか」とカラカラと笑った。

 王座戦では「良い将棋を指すことができたんですけど、やっぱりその後“魂が抜けた”状態になってしまった」ことを告白。「無理な形で努力をしてしまった」といい、「やっぱり努力というのは続けられる形ではないと、反動がきて意味がなくなってしまう」と反省を口にする場面も。以来、努力の方法を修正したといい、「無理なく続けている努力が今回、結果という形で一つ報われて良かったと思います」と晴れやかな笑顔を見せた。

 復調も実感しているといい、今回の朝日杯初優勝は再びタイトル戦の舞台へと飛躍する大きなきっかけになることは間違いない。「自分としては予想外というか、とても望外の結果にすることができました。それが望外ではなく実力になれるように今後頑張りたいと思います」。その瞳に熱い闘志を取り戻した永瀬九段。再びタイトル戦で“絶対王者”と盤を挟む日まで、カウントダウンはもう始まっている。

◆朝日杯将棋オープン戦 持ち時間40分の早指し棋戦。一次予選、二次予選を勝ち抜いた棋士が、シード棋士を含めた計16人で本戦トーナメントを戦う。参加は全棋士、アマチュア10人、女流棋士3人で優勝賞金は750万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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【映像】ファンへ感謝の言葉を伝える永瀬九段
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