母親としての眼差しが柔らかい。女優の深川麻衣が、和製ラリー映画『僕と彼女とラリーと』(10月1日公開)でシングルマザーを好演した。これまで母親役は幾度かあったが、子役と密に関係性を築き、母としての実在感を表したのは初めての経験。「リアルでは母親の経験はないので、子役のお母さんをじっくり観察しながら、少しだけ口ぶりを真似るなど役柄に反映していきました」とトレースと想像を混ぜ合わせて母親に成り切った。すると子役に情が移り、おのずと自身の未来にも思いをはせるようになった。アイドルから脱皮して早5年。30代に突入した深川の心境とは?

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【動画】深川麻衣出演ドラマ『箱庭のレミング』
 
 演じたのはラリーに挑む北村大河(森崎ウィン)の幼馴染でシングルマザーの上地美帆。深川自身は独身だ。「学生の時は二十代前半ぐらいで結婚するのかな、とか想像していたけれど、いざ自分がその年齢に到達してみると『まだまだだなぁ…。』と思ったりして」と笑いつつ「今は何歳までに結婚したいという願望は特にありません。一緒にいたいと思える人がいたら結婚したいし、流れに身を任せていきたいです。子供もいつかはほしいですね、特に今回の撮影を通して母親として子供を見たりすると物凄く可愛くて」と目を細める。
 

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 リスペクトする人物として自身の母親を挙げることが多い。「好奇心旺盛で、いくつになっても学びが好き。独学で資格を取ったりもしています。この映画には、年齢に関係なくいつでもスタートできるというメッセージが込められていますが、自分の母親を見ているとまさにそうだなと実感。そんな母から学ぶことも多いし、私自身もその性格を引き継いでいるので好奇心は旺盛です」と尊敬する母との類似点に喜ぶ。
 
 芸能界での活動を後押ししてくれたのも両親だった。「上京を相談したときも反対せず、背中を押してくれました。私が関わる作品も必ずチェックしてくれるし、掲載誌も買っているようです。その応援が仕事を頑張る上でのモチベーションのひとつになっています」と感謝する。
 

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 東京にはもう一つの家族がある。5年間ともに切磋琢磨した乃木坂46のメンバーたち。深川と同じ道を歩む元メンバーも多い。「みんなの活動ぶりは刺激になっています。5年間家族以上に密接に頑張ってきた仲間ですから、自分ももっと頑張らねばと励みにもなります」と離れてもいまだ気持ちを律してくれる仲間たちだ。

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 上京から10年。振り返ると「馬の様に全力疾走した濃密な時間。こんな濃密な10年をこれから先の人生で味わえるのだろうかというくらい、沢山の学びと転機があった」としみじみ。しかしこれから先も新たな進化への期待が高まっている。「20代の頃は将来に対する漠然とした不安もありましたが、私の周りの先輩方は『ようこそ楽しい30代へ!』というポジティブな方が多く、仕事とプライベートの両方を充実させている。その背中を見ていくうちに私自身の考えも自然と変わり、肩の力も抜けてきました。30歳から40歳までの10年も、より一層濃い時間にしていきたいです」。柔らかい眼差しは、心のゆとりの表れでもあった。

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取材・文:石井隼人
写真:You Ishii

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おもいで写眞
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