大型で非常に強い台風16号は勢力を維持したまま、あす伊豆諸島に最も近づく見込みだ。関東や東北の太平洋側でも暴風となる恐れがある。
台風が迫る中、どのような備えをすればいいのか。気象予報士の松葉三佳氏に聞く。
Q.現在(30日19時時点)の台風16号の状況は?
あすの明け方から昼過ぎにかけて、伊豆諸島にかなり接近する見込み。その後、速度を上げながら日本の東を北東方向に進んでいくとみられる。
Q.伊豆諸島への影響は?
伊豆諸島では、最大瞬間風速50mという予想が出ている。これはトラックが横転したり、細い木が折れたり、屋根瓦がはがれるといった被害が予想される。あす夕方までの24時間雨量で300mmが予想されている。
Q.2019年の台風15号で甚大な被害を受けた千葉への影響は?
千葉県ではあすの最大瞬間風速が、陸上では35m、海上では40mのところもあるという予想になっている。2年前の台風15号の際、千葉県で一番風が強かったのは、中央区の最大瞬間風速57.5m。今の予想では2年前を超えるような強さではないが、自動車の運転が危険になり、立っているのも難しい風の強さになるとみられる。ビニールハウスのフィルムが破れてはがれたりということも考えられる。鉄道はすでに運休が決まっているところもあるようだ。
Q.台風16号による雨風のピークはいつ?
伊豆諸島や東海の伊豆半島、関東南部と茨城県などは、あすの未明、早朝から夕方がピークになる。関東で見ると、昼前ぐらいから夕方ぐらいまでが雨や風が強まる予想になっている。時間帯によってはバケツを引っくり返したような激しい雨が降ると予想されている。
東京地方は最大瞬間風速が35m、あすの夕方までの24時間雨量は130mmとなっている。鉄道各社の運行に影響を与える風速を調べると、大体20mから減速、25mで運休となっているので、風が強い時間帯は電車が遅れたり止まったりすることも考えられる。
東京地方のあすの予想最高気温は10月下旬並みの20度と予想されていて、台風に向かって北よりの冷たい風が吹き込んでくる。きょうは29.2度まで上昇し、これは9月上旬並みで平年よりも暑かったが、あすは長袖の出番。雨や風が強く、気温も低いとなると、ずぶ濡れになってしまった場合は風邪をひいてしまう。さらに、あさってになると予想最高気温は30度で、今度は8月下旬並み。急に一日単位で10度近く下がって、また10度上がると体調を崩すことも考えられるので、注意してほしい。
Q.可能ならリモートワークを考えたほうがいい?
コロナの心配もあるので、可能であればリモートワークにしておくのがいいと思う。関東に関しては、昼頃から更に風が強まりそうだということで、朝は行けたのに午後は電車が遅れている、帰れないということも、もしかしたらあるかもしれない。スマホ用の予備バッテリーなどを持って行って、交通の遅れなどに対応できるようにしたほうがいいと思う。
家に食べ物がないという方は、できれば今日のうちに、買い占めにならない程度にあすの分を調達しておくと安心だと思う。(ABEMA/『倍速ニュース』より)