ABEMA『NewsBAR橋下』のゲストにお笑いタレントのメッセンジャー・黒田有。黒田と橋下氏は笑いといじめの境界に関して意見を交わした。放送倫理・番組向上機構(BPO)の「放送と青少年に関する委員会」が先月、“痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティ番組”を審議の対象とすると決定したことが話題になった。
視聴者やBPOの「中高生モニター」から、出演者に痛みを伴う行為を仕掛け、それを皆で笑うような“苦痛を笑いのネタにする番組”に対し、「不快に思う」「いじめを助長する」などの意見が継続的に寄せられていることを踏まえた判断だ。
黒田は「それでいうと、プロレスもそうだ。子どもの頃、僕らも教室で“プロレスごっこ”をやっていたし、それによって弱い子がいじめられているのを見たこともある。プロレスも怪我をすることがあるが、“プロ対プロ”が前提だ。お笑いもそうで、例えば俺が頭を叩いたとしても、本気で叩いているわけではなく、技というか、ストップのかけ方がある。正直な話、特に容姿、ブスをいじったらあかんという話にしんどいと思っている女芸人もたくさんいると思う。それで言ったら刑事ドラマでもアニメでもつながってきてしまう」とコメント。
橋下氏は「叩いて、それを面白がるというのは、僕らのころはOKだったがやっぱり時代とともにダメだと言われてしまえば、それはある意味で受け入れざるを得ないということではないだろうか。あるいは劇場など、お金を払って、“分かった”メンバーだけでやるのと、公共の電波を使っている地上波でやるというのも違うのではないか」と指摘すると、黒田は次のように持論を展開した。
「テレビはテレビ局のものであり、スポンサーのものであると思っているし、ダメだと言われたら、出入り業者である僕らが闘える部分はない。ただ、僕らは若手の頃、痛みを伴うことしかしなかった。熱湯風呂にしてもそうだ。“この人が入るから面白い、大爆笑になる”というのは、一つの芸だと思う。それがすぐにいじめにつながるという発想があまり好きではないということだ。放送禁止用語も、僕らがデビューしたときから増えていっている。あまりにも締め付けるとバラエティはもうできなくなる。テレビではたぶん無理だと思う。僕はもう地上波は無理だ」。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)