(C)PLAYLIST
韓国ドラマの中で、今、最も注目され、チャレンジングな作品が続々作られているジャンル、ミステリー。ABEMAでも、社会的なテーマを果敢に取り入れた骨太の作品や、ラブストーリーやタイムリープと組み合わせた作品など、多彩なドラマが放送されている。
無線機でつながる現代と過去、韓国ドラマの歴史を塗り替えた最高ミステリー『シグナル』
(C) 2016 Studio Dragon & ASTORY
現在に至るミステリー・ブームの先駆者といえるのが、『愛の不時着』や『サイコでも大丈夫』などを送り出し、近年の韓国ドラマのトレンドを牽引しているケーブルチャンネルtvNが、開局10周年となる16年に放送した名作『シグナル』だ。舞台は2015年。警察のプロファイラー、パク・ヘヨンが、ある夜、壊れたトランシーバーから自分の名を呼ぶ声がしていることに気づく。声の主は00年を生きる刑事イ・ジェハン。彼は現在まで未解決になっている誘拐事件に関する重要な情報をヘヨンに託す。「過去と現在を生きる人物たちがトランシーバーを介して“出会う”」というファンタジーを中心に置きつつ、それぞれの人物の背景や捜査過程が綿密に描きこまれたこのドラマは、高い評価を得て、日本でもリメイク作品が作られた。韓国では広く知られた未解決事件をとりあげているところも見応えがある。脚本は『キングダム』で世界的に認められるようになったキム・ウニ。
シーズン2も決定!チョ・スンウ&ぺ・ドゥナ主演クライム・サスペンス『秘密の森〜深い闇の向こうに〜』
(C) STUDIO DRAGON CORPORATION
「感情を持たない」というユニークな特徴を持つ検事が、感情豊かな刑事と協力し、検察、警察、財界の上層部の秘密にかかわる殺人事件の真相を追っていくクライム・サスペンス『秘密の森〜深い闇の向こうに〜』も、韓国のミステリードラマの質を一気に高めた作品として知られる。先の読めない展開と俳優たちの演技は、アメリカの新聞ニューヨーク・タイムズが選ぶ「国際テレビドラマ・トップ10」にもランクインするなど、海外でも人気を呼び、同じキャストでシーズン2も作られている。幼い頃に受けた脳の手術が原因で他人とかかわることができず、孤独に仕事に打ち込む日々を送っていた検事シモクは、上司である次長検事らがかかわる汚職事件と関係する殺人事件の捜査を開始。一方、刑事ヨジンも同じ事件を追っていく。韓国ミュージカル界のトップ俳優で、映画や『馬医』、『神様がくれた14日間』などのドラマでも活躍するチョ・スンウが「感情がない」ためにどんなことにも縛られず、冷静に正義だけを追求する検事を力強く演じている。また、『グエムル-漢江の怪物-』をはじめとする韓国映画はもちろん、是枝裕和監督の『空気人形』やハリウッド大作『クラウド アトラス』などの海外作品にも出演してきたペ・ドゥナが事件の解決に奔走する刑事ヨジンに扮している。
日本でもリメイク!“音”を手掛かりに事件を探る大ヒットシリーズ『ボイス〜112の奇跡〜』
(C) STUDIO DRAGON CORPORATION
緊急通報を受けてから10分。被害者の生死を分けると言われている“ゴールデンタイム”の間に現場に急行し、受話器を通して聞こえる“音”を手掛かりに事件解決を目指す112通報センター(日本の110番に当たる)のゴールデンタイムチームの活躍を描く『ボイス〜112の奇跡〜』は、実際の事件をモデルにしたリアルな事件の数々と、緊張感あふれる展開、ドラマ全体を貫く凶悪犯をめぐる謎といった要素が見事に調和し、今年韓国で放送されたシーズン4まで続く、人気作となっている。日本でも、今年7月からリメイク第2段となる『ボイスII 110緊急司令室』が放送された。シリーズを通じて主人公として登場するのは、絶対聴覚を持つボイスプロファイラー、グォンジュ。通報センターを率いる彼女が、妻が何者かに殺されて以来、気力を失ってしまった刑事ジニョクと協力して、事件を追っていく。『バッドパパ』や『油っこいロマンス』のチャン・ヒョクがジニョクに扮し、ハードなアクションを披露している。
チ・チャンウク主演!弁護士同士の胸キュンラブコメ『あやしいパートナー~Destiny Lovers~』
(C)SBS
『奇皇后』や『THE K2〜キミだけを守りたい〜』といったドラマでおなじみのチ・チャンウク主演の『あやしいパートナー~Destiny Lovers~』では、弁護士同士の胸キュンラブコメディの中で、ある殺人事件の謎が解明されていく。司法研修生と指導検事として出会ったボンヒとジウク。ある日、ボンヒは、恋人の急死によって殺人の容疑者として逮捕されてしまうが、担当検事となったジウクのある発見によって無罪に。しかし、検察の権威に泥を塗ったジウクは退職に追い込まれて弁護士となり、2年後、同じく弁護士として働くボンヒと再会する。クールな弁護士ジウクに扮したチ・チャンウクがシリアスとコミカルが絶妙にブレンドされたセリフを自在に操りながら視聴者を笑わせ、うっとりさせる。苦労して司法試験に合格後、殺人犯の汚名を着せられて苦労するボンヒ役を『ショッピング王ルイ』や『100日の郎君様』のナム・ジヒョンが演じている。
『愛の不時着』プロデューサーが手掛ける青春ドラマミステリー『ブルーバースデー』
(C)PLAYLIST
高校時代に突然、この世を去ってしまった初恋の人ソジュンを救うため、主人公ハリンが時間旅行を繰り返す『ブルーバースデー』では、青春ドラマとミステリーが絶妙にブレンド。ハリンが高校時代に戻って過去を変えるたびに「ソジュンがなぜ死んだのか?」という謎も刻々と変化し、視聴者をドラマの中に引き込んでいく。高校2年生だった過去と、20代後半の現在のハリンを演じ分けているのは、このドラマが初主演作となるガールズグループRed Velvetのイェリ。さらに、そんな彼女と幼い頃から親しく過ごしながらも、なかなか好意を伝えることのできないミステリアスな人物ソジュンにはボーイズグループPENTAGONのホンソクが扮している。
「事件の謎を追う」というベースに、様々な要素が重なり合って観る者を魅了する韓国のミステリードラマ。気になったものから、ぜひ、見てほしい。今回初回した作品はすべてABEMAにて配信中。