教育政策では「無償化」の文字がズラリ、モリカケや桜を見る会問題も継続して追及 【9党の政策を解説 第4回「共産党」】
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 衆議院選挙が19日に公示され、12日間の選挙戦がスタートした。投開票は31日で、各党の舌戦が繰り広げられるが、気になるのはその具体的な中身だ。

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 ABEMA倍速ニュース』では、9党それぞれの公約を解説。第4回は「共産党」について、テレビ朝日政治部の柴戸美佐子記者が伝える。

【新型コロナ対策】
Q.新型コロナ対策について、共産党はどういう公約を掲げている?
 19日は衆院選の公示日だったが、その第一声でも、共産党の志位委員長はコロナ対策をアピールした。「科学を無視した対応を大本からあらためる」として、大規模検査、医療・保健所への支援、補償の3本柱によってコロナ対策を抜本的に強化するということを訴えた。

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Q.3本柱の1つ目、「大規模検査」とは具体的にどんなもの?
 ワクチン接種とともに「大規模、頻回、無料のPCR検査」、つまり「いつでも、誰でも、無料で」コロナの大規模検査を行うことを掲げている。また、職場や学校、家庭などでの自主検査を大規模、かつ無料で行えるように国が補助をすることや、陽性となった自営業者に対する休業支援金など、検査を受ける人が安心して休むための所得保障も進めていくとしている。

Q.3本柱の2つ目、「医療・保健所への支援」とは具体的にどんなもの?
 共産党は「第6波」の備えとして、コロナの病床の拡充や臨時の医療体制の整備が急務であるとしている。具体的には、コロナによる医療機関の減収補填や、医療従事者の待遇改善を掲げている。また、保健所の体制についても、臨時職員や正規職員を増やしていくことを掲げている。さらに、感染症病床や救急体制、保健所への予算を2倍にして、国立感染症研究所の研究予算も10倍にするとしている。

 共産党はこれら2本の柱と、3本目の柱である「コロナで傷んだ暮らしと営業への補償」を合わせて、コロナ対策を行っていくと掲げている。

【経済対策と社会保障】
Q.新型コロナ対策の3つ目「補償」と重なるかもしれないが、経済対策についてはどのような公約を掲げている? 
 まずは給付金。共産党はコロナの影響で収入が減った人への家計支援として、1人あたり10万円を基本とした「暮らし応援給付金」を支給するとしている。これは、世帯年収1000万円未満が対象で、コロナで打撃を受けた低所得者や、中間層を支援するのが狙い。支給額は所得に応じて増減させるということだ。

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Q.税制については?
 共産党は第2次安倍政権以降、貧富の格差が広がったとして、「アベノミクスの失敗」を指摘しているので、格差是正のために法人税率や所得税の最高税率を引き上げる、つまり大企業や富裕層から税金を多くとることを打ち出している。一方で、消費税については現在の10%から5%に引き下げて、生活にかかる負担を減らすことを掲げている。

Q.賃金については?
 共産党が掲げているのは「8時間働けば普通に暮らせる社会」ということで、最低賃金を時給1500円に引き上げて、全国一律最低賃金制を確立するとしている。また、そのために賃上げする中小企業への支援を抜本的に強化することも盛り込んでいる。

【外交政策】
Q.外交政策の公約は?
 外交・安全保障については、「憲法9条をいかした外交への転換で、平和な日本とアジアをつくる」として、「軍拡から軍縮への転換」を訴えている。まずは、自民党の憲法改正案に反対し、断念に追い込むことを掲げている。また、核兵器禁止条約への署名・批准や、安保法制の廃止といったことも掲げている。

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 さらに、沖縄の米軍基地については、辺野古新基地建設の中止や普天間基地の無条件撤去を掲げていて、「基地のない沖縄」を目指すとして、日米地位協定も抜本改定するとしている。また、「異常なアメリカ言いなりを正すべき」だとして、日米安保条約を廃棄し、対等な立場に立った日米友好条約を結ぶことを掲げている。

Q.中国への姿勢というのはどのように打ち出している?
 中国に対しては「軍事的なブロックを作るという排他的なアプローチではなく、地域的な平和秩序を作る包括的なアプローチが大切だ」としている。そのため、「北東アジア平和協力構想」といって、北東アジアにもASEANのような地域協力の枠組みを作るということを提唱している。また、中国の東シナ海や南シナ海での覇権主義的な動きや、香港や新疆ウイグル自治区などでの人権侵害に対しては、「国連憲章と国際法に基づく冷静な外交的批判をすべきである」としている。「中国指導部の誤った行動は批判するものの、あくまで平和的な話し合いで解決すべきだ」としていて、「中国の脅威を利用した軍事力の増強には断固反対」としている。

【教育政策などについて】
Q.教育や子育て支援についてはどういった方針を掲げている?
 教育については「無償化」という文字がズラリと公約には並んでいる。まずは、大学や短大などの学費を速やかに半額に引き下げて、無償化を目指していくとしている。また、入学金制度もなくすことを掲げている。さらに、私立高校の負担軽減を進めて、高校も無償化して、学校給食の無償化も進めるとしている。その上で、現在中学卒業までとされている児童手当を18歳まで支給するということや、児童扶養手当や就学援助の額や対象の拡大など、子育て世帯に向けて恒常的に現金給付を行っていくことを掲げている。

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Q.待機児童への対策は?
 待機児童対策としては、認可保育所を30万人分増設することを掲げている。また、保育士や保育所の職員の処遇改善や、保育士の正規雇用化を進めることで、保育水準を確保しながら待機児童問題を解消していくとしている。

【各党が重点を置く政策】
Q.そのほか共産党が重点を置く政策はある?
 1つは、経済政策の転換。19日の第一声でも志位委員長は「弱肉強食の新自由主義を終わらせて、命と暮らしを大切にする政治にチェンジする」「アベノミクスでトリクルダウンが起こらなかったから、ボトムアップに変えましょう」と訴えた。つまり、家計重視の経済政策に切り替えて、経済の底上げをはかることで格差を是正していきたいということだ。そのために、先ほど紹介したような1人10万円の「暮らし応援給付金」や消費税を5%に引き下げるという政策を打ち出している。

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 なお、財源については、コロナ対応など緊急性の高いものに関しては国債を発行し、社会保障の拡充や教育負担の軽減は、大企業や富裕層の課税、軍事費の削減などにより賄うとしている。

Q.経済以外の重点政策は?
 いくつかあるが、まずはエネルギー政策。共産党は「原発ゼロ」を掲げているので、原発の再稼働や新増設は認めないとしている。また、2030年に向けた温室効果ガスの削減目標については、50%から60%に引き上げるとしている。

 また、「自公政治からのチェンジ」も掲げているので、「森友問題や加計問題、桜を見る会問題などの真相追及」や、「日本学術会議の任命問題」も引き続き盛り込んでいくとしている。

 さらに、ジェンダー平等についても、民法を改正して選択的夫婦別姓を直ちに導入することを掲げている。

(ABEMA/『倍速ニュース』より)

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