岸田総理大臣は甘利幹事長の辞任を受け、自民党の新しい幹事長に茂木外務大臣を起用する方針を固めた。
茂木氏は外務大臣や経済産業大臣などの要職を歴任し、自身が所属する竹下派では会長不在の中、会長代行をつとめるなど実質的に派閥を率いている。また、安倍元総理や麻生副総裁との関係もよく、党内基盤の安定を狙ったものとられる。
茂木外務大臣の起用について、テレビ朝日政治部の今野忍記者は「非常に岸田総理らしい人事ではないか」と話す。
「ほかにも高市政調会長とか、河野太郎さんみたいに人気の人を選ぶ選択肢もあったが、慎重で安定を好む岸田さんの性格が出たのかなと。事実上、竹下派を率いている茂木さんは、安倍政権の時には選挙対策委員長として幹事長と一緒になって選挙を仕切るポストもやっていた。安倍さん、麻生さんの重鎮“3A”とも関係がよく、根回しなど機転が利く方なので、派閥の安定と実務能力で選んだと思う」
岸田総理と当選同期の茂木外務大臣は、東京大学を卒業後、丸紅、読売新聞。マッキンゼーを経て、アメリカのハーバード大学大学院を修了し、1993年に初当選。非常に頭の回転が早く、隙がないところがあるという。
「経済産業大臣時代はかなり厳しく言うということで、外務省にはトリセツ(取扱説明書)があると言われているぐらい、仕事に厳しかった。ただ、安倍さん、菅さんが総理大臣の頃から総理候補に名前はあがるようになってきたので、最近は後輩や部下にも優しくする“ニュー茂木になった”と言われている。幹事長になると、次は総理大臣を狙うしかないようなポジションになる。“ニュー茂木”がどうなるのかに注目だ」