伊藤沙莉のコンプレックスが“武器”に変わった瞬間「先輩方に“声”を肯定してもらえた」
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「“特別な人”がいっぱいいる中での“普通”って“かなり特別”なんです。自分の中では“武器”だと思っている」

 どの作品にでも溶け込む自然体な演技で引っ張りだこの女優・伊藤沙莉(27)。現在公開中の映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』で主人公にとって、決して忘れることのできないミステリアスな初めての恋人という難しい役柄を演じている。

【映像】伊藤沙莉が歌声を披露(3:50〜)

 今年でデビュー18年を迎えた伊藤が「ABEMA NEWS」の取材に応じ、9歳で芸能界デビューしたきっかけや転機となった仕事について明かした。

――芸能界を目指したきっかけはなんですか?

「もともと歌とかダンスとか、音楽をやりたくて。基本的にダンスをずっと3歳からやっていて、友達に誘われたドラマオーディションでたまたま受かったことがきっかけなので、芸能界をお芝居の方面で目指したっていう、目指した時間はないです」

――伊藤さんが子役デビューされた、ドラマ『14ヶ月〜妻が子供に還っていく〜』(日本テレビ系)では少女の姿に変わった主演の高岡早紀さんの旧友役を演じていましたが、当時の心境を教えてください

「一番最初の現場で、“出来ない悔しさ”も味わっているので、このタイミングで泣けないとか、結構必要な感覚とか状況は一番最初のところで味わえたんじゃないかなって思います」

伊藤沙莉のコンプレックスが“武器”に変わった瞬間「先輩方に“声”を肯定してもらえた」
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 デビューから2年後の2005年。伊藤は、ドラマ『女王の教室』(日本テレビ系)で志田未来が演じる主人公をいじめるクラスメート役で話題になった。その後、2015年には『トランジットガールズ』(フジテレビ系)で連ドラ初主演を果たし、2017年には連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK)に出演するなど、多くの作品で頼られる女優へと成長していった。

 その中でも伊藤が一番印象に残っている作品は、波瀾万丈の人生を歩んだ主人公を演じた初主演映画の『獣道』だと話す。

――いま、一番心に残っている仕事はありますか?

「家族が死ぬほど好きでひたすら実家にいたんですけど、初めて家族とちゃんと離れて、“愛に飢えた子”の役をやるというのは、私は別に憑依型でもないし、(役を)あまり引きずるっていうこともない。スタートとカットまでの間しか集中もしてないんですけど、『獣道』が初めて引きずった経験がある作品。いろんな感情や感覚が初めてだったっていうのもあってすごく印象には残ってますね」

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 そして、順調に女優としてのキャリアを積み重ねていく中で役者として1つの転機となる“声の仕事”に出会う。ずっとコンプレックスだったという、特徴的なハスキーボイスを武器にアニメのアフレコやドラマのナレーションなどに挑戦した。

 今年10月には、伊藤の声に興味を持ったいきものがかり・ギターの水野が企画したソロプロジェクトで歌声を披露している。

――最も印象に残っている転機を教えてください。

「それこそアニメをやらせていただいたりとか、ちょっと歌わせてもらったりとかして、声をフィーチャーしていただけることが増えて、自分の中でもどんどんどんどん肯定的になってくっていう。本当にいらないと思ってたのでこの声。先輩方に声を肯定してもらえたっていうのはすごくありがたい転機。自分が持っていても、変えられないものを肯定してもらえるって、一気に武器になる瞬間なんですよ。いろんなところに挑戦してみようとかなってくるので自分の人生の中でも、役者としてもかなり大きな転機ではありましたね」

――次はどのようなジャンルに挑戦したいですか?バラエティーも考えていますか?

「バラエティーもたまにはお邪魔をさせていただきたいなとか思ったりとかするんですけど、とにかくお芝居突き詰めていって、いろんなジャンルでもっともっとお芝居を活用できる場ってすごくあると思うんですよ。まだ手を出してないところでも全然あるし、こんな声でできるのかしらって思いつつ、ミュージカルやってみたいわとか、そういういろんなまだまだ可能性があるので、そこを突き詰めてからですね。他の畑に行くのはっていう感じですかね」

(『ABEMA NEWS』より)

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