令和メガネ萌え。俳優の前田公輝が、ABEMAオリジナルの“下克上”連続ドラマ『会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』で知的メガネキャラを確立した。前田扮するやり手ビジネスマン・松本尊は、当たり役となった『HiGH&LOW』シリーズの人気キャラクター・轟洋介を彷彿とさせるメガネ萌えヴィジュアル。前田自身も「僕のファンにも大好評!」と手応えを実感している。「継続は力なり」を俳優活動の基盤にしてきた前田が、メガネ秘話と30代突入の現在地を語りつくす。
前田扮する松本尊は、サイファークリエーション社長・藤村鉄平(三浦翔平)の右腕的存在。真面目&几帳面な性格で、鉄平から子会社社長に抜擢された智美(藤井夏恋)の教育係を務めている。3年前の前作で早乙女太一が演じた火高拓海のアンサー的キャラクターゆえにヴィジュアルもそれに近いのだが、偶然か運命か、前田が『HiGH&LOW』で演じた人気キャラ・轟洋介にもソックリというサプライズもある。
【映像】前田公輝の敏腕ビジネスマン役に反響『会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』
前田自身、衣装合わせの際に驚きと戸惑いを覚えたという。「あれ?と。同じく藤井道人監督も僕のメガネ姿に『轟?ん?』みたいな感じになり、僕としても『偶然?狙い?どっち?』と笑ってしまいました。早乙女さんの前作があっての今回の僕の役柄なので、製作側としては無意識。たまたまのリンクといえども、『HiGH&LOW』ファンが喜んでくれたり、松本尊として魅力が少しでも伝わったりするのであれば嬉しい事」と奇遇を笑う。
前田扮する松本尊のメガネビジュアル発表時にはSNSも湧いた。「プロデューサーからは『凄い拡散力!』とお褒めの言葉をいただきました。『HiGH&LOW』以降、メガネが似合うと言われることも増えて、自分のSNSでもメガネ写真へのアクセスが多いです。プライベートでもメガネをかけるようにもなりました」とメガネ需要を実感している。
松本と轟の見た目は確かに似ている。しかし轟は不良、方や松本は有能ゆえにヘッドハンティングされたビジネスマンだ。設定は180度違う。「才能も向上心もあるけれど、何を考えているのかわからないようなミステリアスさもある男。僕自身ここまでのインテリビジネスマンは初めてです。セリフもそこまで多いわけではないので、立ち振る舞いや雰囲気でどれだけの説得力を持たせることができるか。難しいけれど大変ありがたい役柄」と新境地開拓を自負。しかも「早乙女さんとは友達。出演することをちょっとだけ内緒にしようとしたら、『出るんじゃん!』とすぐに連絡をくれました」と嬉しい繋がりもあった。
飛ぶ鳥を落とす勢いの藤井道人監督とは『悪魔』『向かいのバズる家族』でもタッグ。「藤井監督は、元役者なのか!?と思うくらいこちらの気持ちを汲んでくれるし、作家性と大衆性のバランス感覚が抜群。攻めるけれど、作品世界の中で描き出して完結させる。その配分が上手い」と才能に全幅の信頼を置いている。
6歳で芸能デビューした前田も今年30代に突入。キャリアを振り返るとき思い浮かぶ言葉は「継続は力なり」だという。「小学校1年の時に先生から『継続は力なり』ということわざを教えてもらってから、なぜかそれを大事な言葉として胸に刻んでいます。俳優としてなかなか目が出なくて、空腹を紛らわすためにお腹に枕を押し込んで眠った時期もあったけれど、それでも僕は諦めなかった。今もなおこの仕事に魅了されてずっと継続しています」とこれまでの歩みは座右の銘と共にある。
自身初の朝ドラ出演となるNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』が来年に控えている。「20代前半は抽象的に漠然としたことばかりを語っていましたが、今は具体性も生まれて、自分のやりたいこともできている。ブランドを立ち上げたり、オンラインサロンを作ったり、初ミュージカルにも挑戦することもできました。自分の居場所を見つけることができている30代。まだまだ野望はあるので、これからも“継続”を意識していきたいです」と誰もが認める飛躍に王手をかけている。
取材・文:石井隼人
写真:You Ishii