【視聴詳細】乃木坂46 真夏の全国ツアー2021 FINAL! 【DAY2】
■最後の最後まで、めちゃくちゃ寂しい
2011年8月に乃木坂46の1期生オーディションに合格した高山は倍率1000倍以上の狭き門をくぐり抜けてグループ入りを果たした。「AKB48の公式ライバルグループ」としてデビューした彼女たちも、これまで『NHK紅白歌合戦』のステージを6度経験し、『日本レコード大賞』は「インフルエンサー」(2017年)、「シンクロニシティ」(2018年)で2連覇を果たすなど、名実共に国民的アイドルグループへと成長した。
初代キャプテンの桜井玲香をはじめ、白石麻衣、西野七瀬など、これまで数々の卒業生を見送ってきた高山。今回自らが「送られる立場」となり、「卒業生も最後の日まできっと寂しかったんだろうなと知れました」と微笑む。
「卒業生はみんな次の夢に向かって歩き出していくじゃないですか。だからこそ、その背中はあまり寂しそうではないように見えたんです。けれど残される側はめっちゃ寂しい(笑)。でも卒業する側になってみて、卒業生は強くいるしかないんだなと思いました。『寂しい』と言いながら卒業するのはどうなんだろうと思うし、みんなどこかで、“前を向かなきゃ”と自分を洗脳してきたのかなって。でも私は弱いから、本音を言っちゃってます。最後の最後まで、めちゃくちゃ寂しいんです(笑)」
では、なぜ卒業を決意したのだろうか。高山は「ずっと乃木坂46を続けられると思ってしまったんです。だから自分で離れる時期を決めました」と明かす。
「『新しい夢ができる』『一生分のお金が貯まる』『恋愛をしたくなる』。この3つの要素の内、どれか1つあてはまった時に、私は乃木坂46を卒業するんだろうなと思っていました。けれど、今のところどれにもあてはまりそうにないんです。一生続けられる職業ではないとわかっているのに、一生出来ちゃうと思ってしまった。だから決断しました。そういう意味では、1番いいタイミングを選んだつもりです」
「一生出来ちゃう」。この言葉は高山がグループに抱いている居心地の良さを物語るなによりの言葉だろう。
「本当にそうです。私はアイドルになるのが、夢だったから、これまで活動を続けてきました。でももしメンバーが怖かったり、スタッフさんが意地悪をしてくるような環境だったら、さすがに10年も続けられていなかったと思います。みんなとずっと一緒にいたいーー。そんな雰囲気が、乃木坂46にはあるんです」
■立派な人間になるのが、今後のぼんやりとした目標です
同期の生田絵梨花は年内でグループを卒業することを発表している。お互い卒業発表した後に臨んだ最後のMV撮影では、寂しさが押し寄せたという。
「いくちゃんとは卒業発表後、結構話をしました。“発表するとこういう気持ちになるよね”と語り合ったり。私はソロ曲『私の色』が最後のMV撮影だったんですけど、“終わる”と思った瞬間がすごく寂しくて、涙が出てしまって…いくちゃんも『わかる〜』と言っていました」
乃木坂46の土台を作ってきた1期生の絆は強い。そんな中でも和田まあやは過去、グループの冠番組で「お金では買えないものをずー(※高山の愛称)からもらった」と発言するほど、高山のことを慕っている。「まあやとは『卒業してからも会えるよね』と話をしていて、あまり変わらずに過ごしています。そこはお互いわかっているんじゃないかなと思いますね」と微笑む。
卒業後はタレント活動を続けていく。現在でも、さまぁ〜ず、有吉弘行といった名だたるお笑い芸人の横でアシスタントを務める彼女は、多くのバラエティ番組で活躍する未来が予想できるが、何かほかに明確なビジョンはあるのだろうか。
「プロットもまったく出来ていないですけど、小説の第2弾を書いてお渡し会をしたいです。『トラペジウム(※)』は海外向けの翻訳版も出版させていただいたんですけど、その時、ちょうどコロナ禍になってしまい、海外のファンの方に会う機会を逸してしまいました。それは、やり残したことですし、中国のファンの方ってすごい熱量を注いでくれる。空港なんかで『かずみーん!』と声援を送ってくれるんです。あれがすごく恋しくて(笑)。いつかまた小説を出版できるように立派な人間になるというのが、今後のぼんやりとした目標です」(※)2018年にKADOKAWAから出版された高山の初の小説。中国語簡体字版『四重星』は2020年7月に発売された。
乃木坂46のメンバーとして10年間を駆け抜けた。そんな高山に「乃木坂46の活動でやり残したことはありますか?」という質問をあえてぶつけると、27秒間じっくり考えた末にこう答えた。
「やり残したことではないですけど、最後に昔のメンバーも全員集まって、パフォーマンスがしてみたかったかな。みんなのことが好きだから(笑)。みんなそれぞれ別の道でがんばっているし、叶わない願いと知っています。それでもやりたかったですね(笑)」