東京都教育委員会が今月に発表した教職員の処分の中で、多摩地域の小学校に勤務していた55歳の教諭が昨年、同校に勤務する女性教員を撫でたり、頬や脇などを舐める並びにスカートの中に手を入れ大腿部などを触るなどのわいせつな行為により、処分としては最も重い懲戒免職になったことが発表された。
このように発表されたいくつかの事例の中で、保健室に勤務していた28歳の女性養護教諭に対する懲戒免職処分が注目を集めた。その処分の理由は「令和3年4月3日午後2時頃から同日午後11時頃までの間に、店舗型性風俗特殊営業店において、同店から現金の対償を受け、性的なサービスを行う業務に従事するとともに、男性客と性行為を行うなどした」といったものだった。
28歳の女性教諭がこのような事態に至った原因はどこにあったのか。元『週刊SPA!』の副編集長である田辺健二氏は「働く女性がいわゆる性的な副業に勤しむケースが急増したという印象を持っている。やむにやまれず、性的な副業を選ぶ人もおり、彼女たちのセーフティーネットになっているという側面も否定できない」と話す。
21日にABEMAで放送された『ABEMA的ニュースショー』では、この女性と同じく、元保健室に勤務していた方(非正規雇用)に話を聞いた。すると女性は「給与も学校や自治体によって異なる。1例にはなるが、私は時給1000円だった。一方、友人は休職された先生と同じ月給を頂いている」と述べ、人によって処遇は様々であることを明かした。
しかし、なぜ今回、女性が性的な副業に従事していることが明るみに出たのか。元性風俗嬢であるののか(仮名)さんは、自身が性風俗業に従事した理由を「(コロナが)流行る前までは普通の会社の総務で働いていて、(その後、コロナ禍によって給料が下がり)手元に残るのは7万円とかで生活できないため、いつでも辞められて、すぐにお金が入る性風俗で働いた」と説明する。さらにそこで、常連の客が彼女の会社に電話したことを機に会社側に発覚。会社から「風俗の副業はダメ」と告げられ、会社から支給されていた補助金50万円の全額返金を求められた。“副業OK”と会社に確認のうえ、確定申告も済ませていたというが、ののかさんはその後、掛け持ちで働いて1カ月で返済を済ませたという。
では、28歳女性教諭のケースはなぜ発覚したのか。ののかさんは「風俗店員の人か、働いている仲良くなった女の子か、本当の友達ではないか」と述べると、自身の経験を踏まえて次のように語った。
「前働いているときに(風俗店員に)『俺たちに媚を売っといた方がいい』という人がいて、キスなどを迫られ断ったところ、干された。『あの子稼げて、私は稼げない』といった、女の子のひがみもある。じゃないとバレようがない」
この問題について意見を求められたジャーナリストの山路徹氏は「コロナ禍で明日も生きていけないという大変な人がいて、中には性風俗に行ってしまう人がいるのは事実。それを非難することもできないし、それだけ今、世の中が大変ということだ」としたうえで「兼業として公務員がそれをやっていたからダメなんだというところが、イマイチ、何というか。給付金なども本当に困っている人たちがいる。一律でバラまくということをやっていて、こういうニュースが出てくると、物凄い憤りを感じてしまう。色々なことを考えさせられるニュースだった」と述べると、モデルで小説家の押切もえさんは「働かざるを得ない状況になっている社会がまず問題。境界線を詰めていくのが大切」と賛同した。
元衆議院議員の宮崎謙介氏もこの件について触れ「地方から出てこられた学生さんの中でも、コロナ禍の影響を受けて仕送りがなくなった人がいる。バイト先での居酒屋でも仕事がなくなった。泣く泣くそういう仕事に行かざるを得ないという話を結構聞く。今回18歳以下で給付金をという話が有るが、そこに届いてくれればと思う」と話した。
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