日本でも「オミクロン株」初確認 南ア・医師会会長は「症状軽い」と説明も 現段階で判明していることは
「オミクロン株」現時点で判明していることは
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 世界各国で確認されている新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が、日本国内でも初めて確認された。

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 感染が確認されたのは、28日に入国した30代のナミビア外交官の男性。松野官房長官は30日、男性が医療機関で隔離されていること、同行者や飛行機内で近い席に座っていた人たちが把握できているとした上で、「我が国の水際措置が有効に機能したものと考えている」と述べた。

 南アフリカ医師会のクッツェー会長は28日、「オミクロン株の症状は軽く、重症患者はほとんどいないため、パニックになる必要はない」と現状を説明し、メディアの報道は誇大だと指摘した。一方で、WHO(世界保健機関)は同日、最新の知見を公表し、「他の変異株に比べて感染力が強いかはまだ明らかでない」「一度感染した人が再び感染するリスクは他の変異株より高い可能性がある」としている。

 まだわからないことも多いオミクロン株だが、現時点でわかっているのはどのようなことなのか。テレビ朝日社会部の岩本京子記者が伝える。

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Q.「オミクロン株」とこれまでの変異株との違いは?
 11月24日に南アフリカで初めて確認された新型コロナの変異ウイルス。32カ所と多くの変異を有していて、国立感染症研究所は一部の変異について「細胞への侵入しやすさに関連する可能性がある」としている。アルファ株でみられたN501Yや、ベータ株などと共通する変異も見られている。変異の一部には感染性を高め、ワクチンの効果を弱める可能性があるとされている。

 オミクロン株について感染研は「疫学的な評価を行うに十分な情報が得られていない」としている。南アフリカではデルタ株からオミクロン株に急速に置き換わりが進んでいて、感染性の高さが指摘されている。これまでに検出された変異株の中で、最も免疫への多様性があるという報告もあり、ワクチン効果の低下や再感染リスクの増加が懸念されている。

Q.なぜ南アフリカで感染が急拡大した?
 南アフリカでは、感染防止対策としてマスク着用や飲食店の時短営業などが継続されていた。感染研は、イベントによる接触機会の増大や、他の変異株の影響などの要因も排除できないとしている。

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Q.オミクロン株について、南アフリカとWHOの見解は異なるようだが。
 WHOはオミクロン株の位置づけについて、24日時点では「VUM(監視下の変異株)」としたが、26日には最も高い警戒レベルの「VOC(懸念すべき変異株)」とした。しかし最新の知見では、まだデルタ株より強いかは明らかではないとしている。

 南アフリカでは、確かに感染が広がって入院率も上がっているので、重症化リスクが高いと言われていることもある。そもそも感染者自体が増えているので、そうしたことも背景として考えられる。ただ、これまでの変異ウイルスと異なる症状は今のところ報告されていない。

Q.オミクロン株の広がり方はデルタ株よりも早い?
 WHOのレポートでは、32カ所ある変異のうちの一部では、感染性を高め、かつ伝播する力も上がっているというような報告もある。

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Q.日本の「オミクロン株」に対する対策は?
 WHOが警戒レベルを引き上げたことを受けて、日本も3段階の最も高いレベルに引き上げた。岸田総理が発表したとおり、30日0時から全世界を対象に外国人の入国を全面的に禁止した。この他、10カ国についてはすでに10日の指定施設での待機を求めていたが、感染が確認された国・地域から入国する際には、「リスクに応じて指定施設における厳格な隔離措置を実施する」としている。

Q.「オミクロン株」について、厚労省の対応は?
 国内で確認されるパターンとしては、(1)検疫で見つかるパターン(→感染研で解析)と、(2)すでに国内に入っていて自治体で見つかるパターン(→地衛研などで解析)がある。(2)の場合、現在の国内の感染者数を鑑みると大したことない可能性もあるが、欧米や南アフリカでの広がりを見ると軽視できないということで、国内でも体制を強化している。

 厚労省は各自治体に対して、ゲノム解析はこれまで5~10%で実施するように通達していたが、この割合を最大限に引き上げるようにとしている。また、入国後14日以内の入国者に陽性と判定された場合には、滞在国にかかわらず速やかにゲノム解析を実施することとなっている。

Q.今までのファイザー、モデルナなどのワクチンは「オミクロン株」に効く?
 WHOは、現時点では「引き続き有効だ」としている。モデルナなどもオミクロン株に対応できるワクチンを開発していくとしている。

ABEMA/『アベマ倍速ニュース』より)

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