水を包んだ“布”を隣の人へ。4日、群馬の桐生市で「100人の風呂敷リレーで100リットルの水を100メートル運ぶ最速タイム」と題して、制限時間10分を切ればギネス世界記録に登録されるイベントが開かれた。
水を運ぶのは10歳から73歳の100人。3回以内のチャレンジで記録を出さなければギネスには認定されない。水を運ぶ容器は、バケツでなく風呂敷。しかし、不思議なことに水はしみ出してこない。
「(水滴が)落ちちゃうので…。手品じゃないですけど、触っても濡れてないっていう」
こう話すのは、地元で繊維生地を染めたり加工する会社「朝倉染布」の朝倉剛太郎代表取締役社長。使われているのは、同社が開発した風呂敷「ながれ」だ。水を包めてしまう秘密は、独自に開発した撥水加工。急な雨の時は傘の代わりにもなる強力な撥水加工で水が漏れず、強く絞ると出てくる。この生地はオリンピックの競泳選手が着用した水着にも採用された。
そんな風呂敷を使って行われたこのイベント。1回目の挑戦で10分を大きく下回る5分57秒43のギネス世界記録を叩き出し、みごと登録となった。
「『風呂敷』っていう名前が出てくるギネス世界記録は、本当に世界で初めてなので。風呂敷の業界にも明るいニュースなのかな」(朝倉社長)
水を包めてしまうこの風呂敷だが、それでもリレーで隣の人に渡すとなると、発生する遠心力や下から支えた時に上から水がこぼれるなどの課題があったという。そのため、ギネス挑戦には1年半の準備期間が必要だったそうだ。ちなみに、5リットル20個で100リットルの計算だが、今回のリレーでは22個110リットル分を運んだという。(『ABEMA Morning』より)