「ここで語りきれないくらい大変なことも、ここで語りきれないくらい楽しいこともあったんですけれど、そのひとつひとつのめぐり合わせが違っていたら、ここまで活動を続けられてなかったと思うし、今の私にはなれなかったと思います」。
アイドル活動の集大成となる写真集『なぜ、忘れられないんだろう?』を発売した乃木坂46の寺田蘭世。12日にグループを卒業、芸能界から引退するのを前に単独取材に応じ、9年間をともに過ごしたメンバーへの思い、そして新たな夢について語った。
「いや〜、不思議ですよ。中学生の時から9年間も乃木坂46というグループに身を置いているので。何が変わるのかな、意外と変わらないのかな、どっちなんだろうって考える日々です。
小学生の頃からAKB48の大ファンだったという寺田は、14歳の時に乃木坂46の2期生オーディションに応募する。
「成績表で言えば劣っている方だったので、そういうのに縛られない、人に必要とされたい、人のためになりたいって思って。その時にたまたま募集していたのが乃木坂の2期生で。応募の締め切り日に、やっぱり受けなきゃと思って、学校から走って帰ってきて、ギリギリで送ったって感じだったんです。どちらかというと“なりたい”っていうよりも、何か運命的なご縁があってという感じではありましたね」。
2013年に乃木坂46に2期生として加入すると、清楚で上品ないで立ちと、力強いパフォーマスのギャップでファンを魅了。4年後の2017年には『インフルエンサー』で初の選抜入りを果たし、日本レコード大賞にも出演した。日本レコード大賞には、翌年も『シンクロニシティ』でパフォーマンス。グループの活動の中でも忘れられないステージになったという。
「やっぱりレコード大賞を取った時はすごくうれしくて。受賞すると、披露の時に紙吹雪みたいなのがファーって降ってくるんですけれど、あの時の景色は本当に忘れられなくて、その瞬間、何て言うんだろう…もちろん嬉しいとか、ここまで頑張ってこれたとか、いっぱい踊って歌って、思うことあったもけれど、メンバーの顔がいっぱい浮かんだんですよ。卒業したメンバーも。本当に素敵なグループで、素敵な経験できているんだなって噛み締められた瞬間だったので、忘れたくない思い出のひとつです」。
そして今年9月、グループからの卒業を発表。アイドル活動を応援してきた家族の反応はー。
「全然、みんな納得って感じでしたね。家族もすがすがしかったと思います。周りの人も、よく頑張ったって感じで、認めて送り出してくれた気はしますね」。
10月に行われた乃木坂46としてのラストライブで、「アイドル活動に悔いはない」とも語った。
「やっぱり1期生、2期生はそれぞれ10年、9年っていう、すごく長い期間、乃木坂46として活動していて。でも、本当に変わらないんですよ 本当に仲が良いグループなので、ファンの人は寂しいとか思うかもしれないけれど、私たちは変わらず仲良しだし、変わらないので安心してくださいっていうのを伝えたいですね」。
卒業をもって芸能界を引退する寺田。持ち前のファッションセンスを活かして、メンバーをプロデュースしたいという夢も明かした。
「みんなをプロデュースしたいです。いつか全員。例えばジャケット撮影とか、そういう形で関われたらいいなって思ったり。全員って言ったらズルイかもしれないんですけれど(笑)、全員してみたいです。卒業しても関わることはできると思うので、そんなことがあったら面白いんじゃないかなと思っています」。