「“消費税還元だ”と言って、全国民に毎年10万円をバラ撒け」「MMT理論、やれるならやってみろ」辛坊治郎氏
橋下徹×辛坊治郎 対談
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 18日のABEMANewsBAR橋下』に生出演した辛坊治郎氏が、18歳以下への10万円相当の給付の問題について、大胆なプランをぶち上げた。

【映像】橋下徹×辛坊治郎 10万円給付&文通費に物申す

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 「俺の意見は極端で、全国民に対して毎年10万バラ撒けと。名目は“消費税還元だ”と言えと。そうすれば、例えば3人家族の世帯が年収330万円だった場合、全額を消費に回せば消費税は30万円になるが、全員に10万円ずつ配っていれば、その世帯は消費税0%になる。もちろん高額所得の人ほど10%に近づくわけだけど、消費税には逆進性があるとか、貧乏な人でも高所得者でも同じ税率だから不公平だという批判は間違っていると思う」と持論を展開した辛坊氏。

 さらに「“日本はいくら国債を発行しても大丈夫だ。どんどん国債を発行してお金を作ってバラ撒くよ”と言っている政治家は恥知らず以外の何物でもないと思うし、すごく腹が立つ。国民が使う金は、ちゃんと税金として国民から取り立てればいいじゃないかと。国債だといったって、借金には間違いないわけで、将来、国民が何らかの形で返さないといけないものだ。“政府のバランスシート上、国債は負債になるけれど、日銀のバランスシート上は資産になるから、政府と日銀が一体だと考えれば資産と負債でバランスする。だからゼロになる”みたいな議論もあるんだけど、完全なまやかしだ。

 今やっているのは、政府がお札を刷るのにかなり近いことで、これは財政法5条で禁止されていることだ。どうしてもやりたいというなら、“ちゃんと財政法を改正するので、やらせてください。責任は我々政治家が取ります”と言えばいい。政府紙幣発行と同じような、脱法行為に近いことでやり続けて、それを恥じない政治家は許しがたい」と語気を強めた。

 勢いの止まらない辛坊氏は「結果、明らかに通貨が毀損されている。統計上の物価はほんのちょっとしか上がってないけれど、100円ショップに行って糸ようじを買ってみると、こないだは100本100円だったのが、今は70本で100円だ。つまり3割の値上げになっている。お菓子の量だってそうだよ。こないだは30万円ぐらいで売っていたロレックスの時計が、今は100万円を軽く突破している。

 “物価が上がらない限りお札を刷って借金しても大丈夫だ”というMMT理論があるが、発祥の地のアメリカでは過去40年間で最高の物価上昇率になっている。バイデン政権は火消し躍起になっているが、ついこの間まで、どうしたら物価を2%上げられるかという議論をしていたのが、あっという間に火が着いて収拾がつかなくなっている。長い人類の歴史を見れば、人間はやっぱり欲の塊だから、物価は必ず上がり始めるし、上がり始めたら止まらない。日本もそうならないという保障はどこにもない」と訴えた。

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 こうした主張に、橋下氏は「アメリカはこれから連邦準備制度の仕組みでインフレを抑えにいくし、賃金も上がっているじゃないか。インフレと賃金が連動すればいいと思う。それから、確かに国債を発行すれば借金にはなるし、やり過ぎはダメだが、政府には通貨発行権があって、経済の規模に応じて紙幣の量を発行できる。そして一部の人が資本家になっているから格差、格差と言われているだけであって、経済成長を目指すという資本主義の考え方に基づけば、貯蓄よりも投資で、広く国民が株を持つ国にならないといけない」と指摘。

 すると辛坊氏は「いやいや、アメリカではそうやって物価が上がらなくなっているでしょうと。日本が同じ状況になって喜ぶのは借金している大企業と政府だけで、爪に火を灯すような生活をしながら頑張って貯蓄している人たちが困ることになる。もしやるんだったら徹底的にやれ、できるもんならやってみろと思う。現役世代は毎月、年金の掛け金をどれだけ払わされているんだと。それも政府が札を刷ってくれるなら、いっそのこともう税金を取るなと。年金の掛け金も医療保険も、全部ただにしろと」と反論。

 橋下氏は「景気を浮揚させるためにワンショットで借金を増やして現金をバラ撒くのはありだと思う。しかしそれをツーショット、スリーショット、フォーショット…とやっていったら大変な問題になる。併せて改革をし、改めるところは改めて、無駄な部分はどんどん無くさないといけない。大阪でも、とにかく小さな所の税金の使い方を見直して、血管の目詰まりを掃除した後に、景気対策のために現金を流す必要があれば流そうということだった。ただし、地方ではお札を刷れない。今の国会議員はとにかく国債を発行して、財政出動だと言う。一定程度は理解するが、改革をして無駄なところは削らないと。それが全くないことは腹立たしく思う」と応じた。

 「文通費問題もそうだが、行き着く所は国会議員の金銭感覚。税金を使うことに関してシビアな感覚というのが全く国会議員に見られなかったから、維新の国会議員に対しても“いい加減にしろと”言った。党の活動費で領収書抜きで4000万円使ったことも、領収書がないお金も党にとっては必要だとか言うんだけど、そんな感覚だったら、日本の無駄使いの改革なんてできない。まずはその金銭感覚を改めろと。文通費問題とか細かい100万円の話ばかりするなという人もいるが、そうじゃない。国会議員の感覚を正すことが重要だと思う」。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)

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