「絶妙な距離感をずーっとキープしている」早見沙織と土田玲央が語る「先輩がうざい後輩の話」

　Twitter上で2017年最高のお気に入り（いいね）数を記録したSNS発の大人気コミック「先輩がうざい後輩の話」が、2021年10月からTVアニメとなって放送中。糸巻商事に勤める五十嵐双葉（CV：楠木ともり）と面倒見はいいがちょっとガサツな先輩・武田晴海（CV：武内駿輔）のコンビを中心とした日常ラブコメディだ。

【動画】先輩がうざい後輩の話

　この記事では、五十嵐や武田と同じ会社に勤め、男性社員からの人気を集める桜井桃子を演じる早見沙織と、桜井と同期で感情をあまり表に出さないタイプの風間蒼太を演じる土田玲央にインタビューを実施。見ていると思わず「キュン」となるコンビの距離感や、お互いの印象について話を伺った。

オーディションのときから掛け合いで作られていった2人の距離感

――桜井桃子というキャラクターを演じていく中で、印象が変わっていったことはありましたか？

早見：最初に原作を読んだときやオーディションのときには、キラキラとしてこんなに素敵な人がいるんだという憧れがあったんです。でも読み進めていくと、桜井さん本人があえてそう振舞っているのではなく、すごく自然体で生きている人でギャグっぽいところや誰かをからかう仕草も含めて、いろいろな表情を持っている人なんだなと感じましたね。

　アフレコのときにもずっと意識していたのですが、風間くんとのやりとりは本当に絶妙な塩梅なんです。わざとらしくなりすぎずにちょっと引き立てるようなセリフにしないといけなくて、フィクションとリアルの振り幅の中で、少しフィクション寄りの境目を渡るように演じていました。

――風間蒼太役の土田さんから見た、桜井の印象はいかがでしょうか？

土田：可愛くて素敵な女性、ですかね。現実に居たらさぞ日々が彩られるんだろうなと思います。ただ自分だったら、ということで考えると、桜井さんに恋をするのではなくて、駆け引きしているような風間とのやり取りを見ているのが楽しいだろうなと思います。（自分は）誰にも関わらずに仕事をするタイプだと思いますので……。そんな日陰の存在にも桜井さんは優しくしてくれるんだろうなと思いつつ（笑）。

早見：風間くんみたいなことを言ってる（笑）。

土田：すごく素敵な女性だと思いますけど、かと言って高嶺の花扱いをすると彼女は傷ついてしまうと思うので、一定の距離感で嫌われないように接するのかなって思いますね。

――本当に絶妙なところですね（笑）。早見さんの演技はいかがでしたか？

土田：早見さんの演技はもう、「素晴らしい」としか言えないですね。イメージにぴったりでした。

――ご自身の演じた風間の印象が、最初とアフレコを終えた現在で変わっていったところはありましたか？

土田：彼はずっとこの感じなんだろうなと思っていたので、特に印象が変わったところはないですね。現在もしろまんた先生がTwitterで連載をされていますが、（桜井と風間が出てくるたびに）「この2人はこうだろうな！」と思うので（笑）。

早見：最初のオーディションのときから一緒に掛け合いをしていて。

土田：そうですね（笑）。

早見：ずっと2人で一緒だったので、私の中の風間くん像みたいなものは、ずっと土田さんの声で完成されていましたね。

土田：ありがたいです。

早見：本番の収録を迎えても、風間くんの声はこの声だと初めからわかっている状況だったので、桜井さんとしてこれくらいだとどうだろうとか、ちょっと抑えた方がいいかなというのを、掛け合いの中で作っていきやすかったです。

――ちなみに、早見さんから見た風間はどんな存在なのでしょうか？

早見：会社に居てくれたらすごく助かるだろうなという存在ですね。誰も見ていないところで活躍してくれて。功績が目立つことはないのですが、いなくなったときにその仕事にみんなが気づく縁の下の力持ちのような。誠実で実直な人ですし、とても頼りになる人だと思います。

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五十嵐と武田、桜井と風間の関係性はどうなる？

――武田さんと五十嵐ちゃんの先輩後輩コンビについて、桜井と風間は見守る立場にあることが多いですが、その視点からの感想をお聞かせいただけますか？

早見：2人が会話をしていると無限に続くんだろうなって思うくらい、本当に息がぴったりで、見ていて楽しい気持ちになるコンビだと思います。双葉ちゃんがちょっと失敗してしまっても、武田さんがしっかり先輩として支えてあげていたりしていて。ふざけて会話するところとしっかり仕事をしている関係をお互い良い塩梅で切り替えていると思うので、すごく素敵な関係性だなと思いますね。

――桜井＆風間と違って、先輩後輩なので立ち位置がはっきりしていますからね。

土田：そうですね。五十嵐ちゃんがもう少し素直になって、武田さんがちょっと動揺するところも見たいです。

――全然動揺しないですよね。

早見：そういう（ドキッとする）風に受け取ってないですよね。

土田：そうなんですよね、やっぱりなんやかんや上手なんです（笑）。だからデキる男なんですよね、それを無意識でやっているというのが、武田さんなのかな。みんなからも信頼されていますし、でもそんな中で武田さんにとっても、五十嵐ちゃんはほかの社員とは違って特別な後輩なのかなとも思いますし。

――抜群のコンビって感じですよね。

土田：（公式サイトの紹介文に）「ガサツで鈍感なところが玉に瑕」と書いてありますけど、そんなところも素敵な先輩だと思います。そんな人に巡り会いたい、人生で。

――TVアニメ全編を通じての桜井と風間、2人の関係性についての感想も伺えますでしょうか。

早見：可愛らしくて照れてしまいますよね（笑）。演じているときには気にならないのですが、オンエアで見ると「きゃー！」となってしまって。キュンとしますし、絶妙な距離感をずーっとキープしているなと思います。

土田：（照れ笑い）

早見：じれったいところもあるけれど、この距離感だからこそ生まれるエピソードもありますし、ニヤニヤとしてしまう2人だなと。

――2人とも社会人ではあるのですが、ある種学生みたいというか、変にひねたところがないので、そこもキュンポイントかなと感じます。

土田：そうですね。なんでしょう、キュンというかムズムズするなというか「ああ、もう！」っていう（笑）。たとえば（第8話で）桜井さんが「蒼太」って呼び捨てにしたときも、（前を歩いていた）風間には桜井さんの表情は見えていないわけですけれど、見ている側は客観的に両サイドの視点がわかるからこそ、そういう風に感じるのかなとも思いますね。

早見：確かに！

土田：だから周りも気づいてサポートを……でも、それは野暮ですね！　そういうことされるのは、本人たちには良くないのかなと思いますし、なおかつ近くにいるコンビが五十嵐ちゃんと武田さんなので、たぶん一切気づかないと思います。もうしばらくこのままなのかなって感じですね。

――最後に最終話の放送を待っているファンに向けて、メッセージをいただけますか？

早見：いよいよ最終回目前ということで、ここまでご覧いただいて本当にありがとうございます。個人的には最終話の双葉ちゃんのとあるシーンを見て、グッときたと言いますか「社会人みんながんばろう！」という温かい気持ちになったシーンがあるので、ぜひ最終話までしっかり見ていただけたら嬉しいです。最後まで見終わったあとにもう一度頭から見ていただいたりすると、より楽しんでいただけるのではないかと思います。

土田：うーん……。

（ネタバレ要素を回避しようと苦慮する土田）

土田：いよいよクライマックスとなりますが、最終回、お楽しみに！　……短いですか？　大丈夫ですか？（笑）

――伝わると思います！（笑）　ありがとうございました！

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(C)しろまんた・一迅社／先輩がうざい製作委員会
テキスト/kato

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TVアニメ「先輩がうざい後輩の話」概要

【CAST】
五十嵐双葉：楠木ともり
武田晴海：武内駿輔
桜井桃子：早見沙織
風間蒼太：土田玲央
黒部夏美：青山玲菜
桜井優人：堀江由衣
月城モナ：古賀葵
おじいちゃん：大塚明夫

【STAFF】
原作：しろまんた（一迅社「comic POOL 」連載）
監督：伊藤良太
シリーズ構成：成田良美
キャラクターデザイン：阿部慈光
総作画監督：室田雄平、吉川真帆、中川洋未、武藤幹
プロップデザイン：中島絵里
美術監督：鈴木俊輔
色彩設計：伊藤裕香　　　　　　　　　
撮影監督：桑野貴文
編集：木村佳史子（MADBOX）
音響監督：高寺たけし　　　　　　　　　
音楽：堤博明
アニメーション制作：動画工房
※桑野の「桑」は、正式には異体字