市民の楽観ムードに変化、医療従事者の3人に1人が欠勤するとの試算も…ロンドンで「重大事態宣言」
ロンドン市内の様子
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 イギリスでは15日、新型コロナウイルスの1日の新規感染者が7万8610人となり、過去最多を更新した。また、これまでに1万人を超える人から「オミクロン株」の感染が確認されている。

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 ロンドンでは、新規感染者の8割以上がオミクロン株に感染。入院者数が増えているほか、医療従事者の欠勤も増えているという。“ウィズコロナ”に舵を切っているイギリスが置かれている状況について、ANNロンドン支局の山上暢記者が伝える。

Q.「重大事態宣言」で何か規制はされる?
 この重大事態宣言によって何かが規制されたり、外出を制限されるといったことはない。市内の警察や消防、医療機関、市役所などが連携を強めることができるとしているが、具体的に「こうします」「こう融通します」といったことは特にない。危機感を強め、さらに警戒、引き締めるという意味合いが強い。

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Q.重大事態宣言に対する市民の受け止めは?
 街に出ている方に話を聞いてみると、これだけの事態になっていることを申告に受け止め始めている人は増えてきている印象だ。「これ(重大事態宣言)は出されるべきだった」と答える人もいるし、「さらに制限が必要なんじゃないかと考えて始めている」という人もいた。マスク装着の有無については文化や慣習の違いがあるが、重大事態宣言が出されたということで少しずつ市民の警戒度は高まってきている印象はある。

 オミクロン株の感染が広がっていることについては、これだけ増えたり新しい変異株が出てくるだろうということは織り込み済みで、「特に驚きはないよ」という人が多い。ただ、感染者数が増えているということもあって、「気をつけなければいけない」という人もここ数日で増えている。

Q.重大事態宣言に対するジョンソン首相の受け止めは?
 「重大事態宣言を受けて」というわけではないが、この状況にジョンソン首相をはじめ、イギリス政府もさらなる規制強化を検討していると伝えられ始めている。ジャビド保健相は19日のBBCの番組で「新たな制限に乗り出すことを除外しない」と明言している。ただ、政権の中でも感染対策強化派と経済優先派で分かれていて、議論が続いている状況だ。

 いくつかの選択肢が考えられているようで、1つは法的拘束力を持たないレベルでの、例えばクリスマスパーティーの自粛要請。さらにもう一段階厳しくなると、パブやレストランを午後8時までの営業にして、夜間の営業を禁止する。さらには、ロックダウンということも検討されていると現地メディアは伝えている。

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Q.医療提供体制について、先週の段階では「まだ大丈夫」ということだったが、現状に変化は?
 まだそこまで深刻ではないが、政府の諮問機関は警鐘を鳴らしている。ロンドンのカーン市長が重大事態宣言を出した理由の1つに、医療従事者の欠勤が増え始めているということがある。つまり、医療従事者自身が感染したことによって出勤できなくなり、医療サービスの提供が難しくなっている。今のイギリス全体の1日当たり入院者数は900人ぐらいだが、このまま何も対応をとらなければ1日当たり3000人に達すると試算している。さらに、このままのペースでは、年末までに医療従事者の3人に1人が休まざるを得なくなるという試算も出ている。入院患者の増加と医療従事者の欠勤、両方の面からの医療体制への懸念が高まり始めている。

ABEMA/『アベマ倍速ニュース』より)

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