2021年も声優がエンタメ界で大活躍した。劇場版『鬼滅の刃』が世界総興行収入500億円を突破し、出演した人気声優らがバラエティー番組に引っ張りだこ。
さらに、ファイナルシーズンで盛り上がっている人気アニメ『進撃の巨人』で主人公のエレンを務める梶裕貴は、その人気の高さからCMに多数出演した。
そして、『エヴァンゲリオン』シリーズの綾波レイ役などで知られる林原めぐみは、ベストジーニスト賞を受賞。声優として初の快挙となった。
アニメのヒットがきっかけで巻き起こっている近年の声優ブームについて、『ABEMAエンタメ』が声優界の大御所・緒方恵美を直撃した。
――キャリアを重ねる上で声優という仕事に対して、緒方さんの考えは変わりましたか?
「自分がデビューした『幽遊白書』と『セーラームーン』という作品からアニメ業界が変わったところがあって、グラビア雑誌が立ち上がったり『なぜ自分が写真集を撮らねばならないのか』とかいろんなことを考えたのが、むしろ最初(デビュー時)だったので。事務所の先輩たちとかからは変な言い方ですけど、『お前らのやっている仕事は声優と言えるの?』みたいなことを言われて、『声優じゃないのかもしれない』みたいなことを悩んでいる時期でした」
――緒方さんにとって、碇シンジはどんな存在ですか?
「自分にとってのもう1つの14歳の記憶みたいな感じですかね。シンジに限らずどのキャラクターもそうなんですけど、自分の感覚の一部で全ての役をやっているので、全部の役が自分の一部なんですよ。さらにその中で、シンジはとても長かったので、本当にもう1つの記憶」
――25年以上続けていたエヴァンゲリオンが、完結したことに関してどう思いますか?
「本当にそれは制作の監督はじめとした、クリエイタースタッフの皆さんのおかげですけど、まずはずっと応援をして、ここまで見届けなければと思ってくださるようなファンの皆さんのおかげだと思います」
――緒方さんにとって、声優という職業はなんですか?
「元々、声優は俳優の仕事の一部ですので、俳優であると思っています。当たり前ですが、俳優であることが芯にないと、それは声優ではないと私は思います。お芝居の仕事が中心だと思いますから。バラエティーにいっぱい発展していく、そちらが主軸になっていく人がいるのも、それはそれでいいことだと思います。今の世の中で声優がどうとか、俳優がどうとかってことではなくて、多分これからの時代は、すべての職種の皆さんが2つ3つ仕事をしていくような時代でしょう」
――緒方さんは2022年3月に「世界中に元気と勇気を届けたい」をコンセプトにした音楽フェス「PreciousAnime&GameSongsFestival」を新たに企画したとお聞きしましたが、このイベントで何を伝えたいですか?
「将来が見えなくて、いろいろな気持ちを持っている方もいらっしゃると思います。かっこよく生きている女性がいるっていうところで、生きるヒントを受け取っていただいて元気出して『明日からも頑張ろう』という風に思ってもらえるようなフェスにしたいと思っているので、ぜひ見ていただいていろんなものを受け取ってくれたらいいなと思います」
――2021年を漢字1文字で表すとなんですか?
「緒方恵美の今年の漢字一文字は『呪』です。長年の呪縛から解かれて呪霊にとりつかれております。呪縛に解かれる瞬間から、また新たな呪縛がきたという(一年)ですね。愛と呪いは表裏一体ですから、これは愛をこめて書きました。呪いではないですよ」
(『ABEMA NEWS』より)
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