6人の棋士、奨励会員を合わせれば総勢22人の弟子を抱える大所帯の井上慶太九段(57)の一門。名人挑戦経験がある稲葉陽八段(33)、王位のタイトル歴がある菅井竜也八段(29)など、その弟子たちも強豪が揃う。ところが、この弟子たちよりも「誰よりも井上門下」と語るのが、久保利明九段(46)だ。「第1回ABEMA師弟トーナメント」予選Aリーグ1回戦・第1試合、チーム井上とチーム畠山の対戦が12月29日に放送された際、解説を務めた久保九段が、井上九段にプロ入り前から指導を受けていたエピソードを披露し、ファンからの反響を集めることとなった。
久保九段は、関西出身の名棋士でタイトル通算6期、棋戦優勝は7回を数える。同じ関西勢として稲葉八段、菅井八段らと親交も深く、男性棋士による団体戦「ABEMAトーナメント」にも、それぞれチームを組んで参加したことがある。
同じく関西所属で聞き手を務めていた里見咲紀女流初段(25)から、井上九段との交流について聞かれた久保九段は「私が15、16歳のころ、奨励会三段ぐらいですかね。井上九段の家に将棋を教わりに行ったんですよ」。自宅から井上九段宅まで、電車で1駅の距離だったようで、「お宅にお邪魔したんで、私も井上門下みたいなもんなんですよ。井上門下の誰よりも、私の方が先に将棋を教わっている」と30年ほど前の思い出を紹介した。「家に行って、将棋を教わって電車で行って帰るんですが、自宅まで車で送ってもらったこともあります」と、かわいがってもらったことを懐かしんでいた。
このエピソードを初めて聞いた里見女流初段も「そうなんですか!」と驚きの連続だったが、ファンからも「隠れ井上門下」「慶太先生ほんと面倒見がいいねぇ」「実質弟子やんw」といった声が続いていた。
◆第1回ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)