弟子を見守る控室で、師匠が珍行動の連発でファンを笑いの世界へと誘い込んだ。「第1回ABEMA師弟トーナメント」予選Aリーグ1位決定戦、チーム深浦とチーム畠山の対戦が12月31日に放送された。チーム深浦は、深浦康市九段(49)と佐々木大地五段(26)のペア。対局時には、集中のあまりに顔が紅潮することもある深浦九段だが、盤を離れた後の控室では、その熱くなった自分を冷やしたり、弟子の対局にまた熱くなったりと様々なリアクションを連発。ファンも「頭冷やしてる」「脳がオーバーヒート」と釘付けになった。
まずファンを笑わせたのは、第3局で佐々木五段がチーム畠山の畠山鎮八段(52)と戦っている最中のこと。第2局に、自身が斎藤慎太郎八段(28)に最終盤まで詰むや詰まざるやの熱戦を繰り広げたこともあってか、興奮も冷めないまま控室に帰ってきたが、次の対局が始まっても熱さが収まらないのか、室内にあった冷たい缶コーヒーを額に当て、さらに扇子でパタパタと仰ぎ続けた。頭と体を同時に冷やす、まるで夏のような仕草に「缶コーヒーで冷やす」「知恵熱」「頭冷やしてる」「クールダウンですか師匠」と笑いと驚きの声が続々と寄せられた。さらに弟子の対局が白熱するにつれて「うーん、頼む」と言いながら、膝をバタバタと叩き始めた。
スコア2-2で、フルセットまでもつれた最終第5局では、さらに応援に熱が入った。佐々木五段が斎藤八段と相対すると、「いやー、大丈夫か、大地」と心配しつつ、水が入ったペットボトルをぐりぐりとこねたり、何度も振ってみたり。何か動かしていないと落ち着かないといった様子が続いていた。
放送対局の解説やイベントなどでの大盤解説では、ユーモアを交えたトークでも人気がある深浦九段だが、こんなリアクションが自然と連発されるのだから、ファンが増えていくのも納得だ。
◆第1回ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)