YOASOBIのikuraとしても活動するシンガーソングライターの幾田りらの新曲「スパークル」が、1月17日(月)22時より配信されるABEMAのオリジナル恋愛番組『今日、好きになりました。(以下:今日好き)』の新シリーズ「蜜柑編」の主題歌に決定。幾田の曲が『今日好き』シリーズの主題歌に起用されるのは「向日葵編」に使用された「ロマンスの約束」に続いて2度目となる。
【動画】幾田りらの新曲「スパークル」が主題歌に『今日好き』蜜柑編
「スパークル」は幾田が新シリーズの主題歌として新たに書き下ろした楽曲。彼女はどんな思いを込めて、この曲を書き上げたのか? 話を聞いた。
過去の自分の片思いも報われるような応援歌を歌いたい
――「スパークル」はセンチメンタルなサウンドに片思いの揺れ動く心境がつづられたラブソングですが、どういうイメージでこれを制作されたのでしょうか?
向日葵編の主題歌に「ロマンスの約束」を使っていただいた時から『今日好き』を見始めたんですけど、出演するみんなの恋愛を見ていて、“片思いってすごく美しくてピュアだな”と改めて思ったんです。自分も過去に片思いをして痛みを知ったことで、成長できた部分がありました。みんなの片思いを肯定するような、そして過去の自分の片思いも報われるような、ある種の応援歌を歌いたいというところからスタートしました。
――切ないけれど、前向きな曲ですよね。「苦しさも愛しさも 全部君から貰えて良かった 忘れないよ日々を 恋をした意味を」と歌っていて。
片思いのシチュエーションって、好きな相手が違う誰かを好きだったり、あるいは思いを伝えていないからだと思うんですけど、出演者一人ひとりの気持ちが募っていって、でもそれがいろんな方向に向いていたりする…。当たり前なんですけど、必ずしも報われる恋ばかりじゃないというのが番組を見る中で印象に残りました。そんな姿が、過去の自分の経験と重なりましたね。
――なるほど。
でも片思いってすごく素敵な経験だと思うんです。それこそ、恋が実らなかった瞬間は辛い時間を過ごすことになってしまうけれど、考え方次第では自分が成長するステップにもなる。そんな思いをこの曲に閉じ込めたかったんです。
――どんなシチュエーションでメロディは生まれたんですか?
メロディのほとんどは鼻歌で作りました。家で鼻歌を歌いながら“これいいな”と思ったものを土台にして、そこからギターやピアノを弾きながら、“ここからマイナーにいってみよう”などコードアレンジを施していきました。
――完成するまでに苦労した部分はありましたか?
歌詞はすごく苦労しました。最終的に自分がこの曲で描きたかったことは“片思いをして良かった”ということ。もちろん辛いことがあるのも私自身わかっていて、でもそれも含めて“幸せなこと”だと伝えるために、ワード選びには苦戦しました。片思いをテーマにした曲だけど、悲しすぎる内容にはしたくなかったので、そこのバランスは難しかったです。
YOASOBIの活動が幾田りらの書く曲に良い影響を与えている
――YOASOBIではボーカルのikuraとして活動していますが、ソングライターの幾田りらとして歌う時と、意識の違いはどんなところですか?
意識は180度違いますね。
――そんなに?
そうですね。幾田りら名義で活動する時は、自分の中から出てきた音と言葉を歌っていて、やっぱり全てが幾田りらだと思うんです。一方で、まずYOASOBIには「小説を音楽にする」というコンセプトがあります。そんな中で、ikuraは小説の主人公だったり、物語の背景だったりをしっかりと伝える立場として存在しなくてはいけないと思っていて。シンガーソングライターなのか、物語を表現するボーカリストなのか―。その差ははっきりとあります。
――小説のストーリーありきで楽曲が作られて、物語と音楽が深く絡み合っているというのは改めて、面白い試みだと感じています。
私はもともとシンガーソングライターとして活動していて、そこからYOASOBIを結成して。他の人が書いた曲を歌う中で学んだことがすごくあるんです。技術的なことももちろんそうですけど、物語を表現することは、自分自身の物語を歌うこととはまったく異なる感覚でした。
――わかりやすい表現ですね。
YOASOBIとして活動してきたことで、私の中にさまざまな引き出しが増えた感覚もあります。そういう意味でもYOASOBIでの活動は、今の幾田りらが書く曲にも良い影響を与えてもらっているという実感はありますね。
――ソングライターとしてのAyaseさんに影響は受けていますか?
あんまり意識したことはないですけど、潜在的にはあるんですかね? でもこの間、ご飯に行った時「りらちゃんの曲、実は聴いているんだよ。めっちゃ良い曲だよね」と言ってくれて。今、一番近くで活動している人ですけど、日本中から注目を集めているソングライターからそう言ってもらえたのは、うれしかったですね。私のソロ活動には今まで触れてこなかったので、照れ臭さもあったけど「私の曲、良いって思ってくれてたんだ」と知ることができました。
一度もほかの夢を考えたことがない
――高校生の恋愛を描いた『今日好き』ですが、幾田さんから見た恋愛番組とは?
いつどこで誰を好きになって、そこからさまざまな葛藤を経て、最後に告白を選んでと、すべての気持ちの移ろいをカメラの前で公開していることは素直にすごいなと思います。私はそういう経験は無いですし、人に見られるのは恥ずかしいので…(笑)。
――(笑)。恋愛をする上では一歩を踏み出すことが大変な作業だと思います。幾田さんは“歌を歌いたい”という強い思いで、学生時代から路上パフォーマンスを繰り広げていましたが、一歩を踏み出すことの大切さをどのように考えていますか?
私は、物心ついた時に“歌手になりたい”と思い始めて、そこから一度もほかの夢を考えたことがないんです。自分でもきっかけを思い出せないような夢を、何で今でも追い続けているんだろうと思う瞬間もあるんですけど、音楽と出会って、目を逸らすことなくやり続けられたのは、自分が衝動的にやりたいと思ったことだからなんですよね。今の高校生がそういうものに出会ったら、迷わずに突き進んで欲しいと思います。
――力強いエピソードですね。これまでの人生で音楽以外に何か夢中になったことはありましたか?
なんだろ…何かあったかな……もう一筋だったからな…なかったかもしれないです。本当にガムシャラに音楽の道を突き進んでいました。歌やギターを弾くこと、オーディションを受けたり、路上ライブをしたりなど、1秒でも早く夢に近づけるように行動に移していました。そういう意味では焦っていたのかもしれないですね。
――本当に真っ直ぐなんですね。
もちろんそれなりに辛い瞬間もありますけどね。それでもやめられないのは、自分が一番よくわかっているんです。だからこうしてずっと音楽を続けているんだと思います。
取材・テキスト:中山洋平、撮影:藤木裕之
幾田りら新曲「スパークル」楽曲情報
幾田りら「スパークル」
作詞・作曲:幾田りら
編曲:中野領太
1月17日に配信リリース
ABEMA『今日、好きになりました。蜜柑編』主題歌
ABEMA『今日、好きになりました。蜜柑編』
『今日、好きになりました。蜜柑編』は毎週月曜よる10時より放送。第1話はABEMAにて無料配信中。
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