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 2月10日、東京・東京国際フォーラムで行われる「乃木坂46新内眞衣卒業セレモニー」をもってグループから卒業することを発表している新内眞衣。1月25日にはおよそ9年間のアイドル活動の集大成となる2ndソロ写真集「夜が明けたら」(小学館)を発売した。最年長メンバーとしてグループを支え、人柄も愛された彼女に、卒業前の心境について聞くと「やり残したことはない」と微笑む。

不遇だと思ったことはない

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 乃木坂46の2期生として2013年3月にグループに加入した新内は、去年11月にレギュラー出演する「乃木坂46のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)内で卒業することを発表した。同期の堀未央奈など、これまで数々の卒業生を見送ってきた彼女に卒業前の心境について聞くと「ベストなタイミングで卒業ができると思っています」と語る。

 「これまで本当に楽しい時間を過ごさせてもらったので、何も後悔はありません。本当にやり残したことはないんです。たくさんの経験をさせていただいたので、“あの時こうしていたら”と思うことがないというか。どこか卒業の日を楽しみにしているような清々しい気持ちです」

 1期生メンバーが粒ぞろいな分、2期生メンバーは、加入後なかなかスポットライトを浴びない状況が続いた。“不遇の2期”と呼ばれたこともあったが、新内自身は「私自身は不遇だと思ったことはないんです」と力を込める。

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 「いろんなチャンスやタイミングをいただいたと思っています。そんな私が自ら不遇と言ってはいけないですし、そう思ったこともありません。私は私らしく、9年間を過ごしたし、今のこの楽しい気持ちで、アイドル生活を終われるのはすごく幸せなことだなと思います」。

 しかし、卒業に際し1つだけ胸に引っかかることがあるという。メンバーから気軽にイジられる“愛され最年長”は、後輩に対し「先輩たちの卒業が続いてしまって、申し訳ない気持ちです」と素直な思いを口にする。

 「特に2021年から多くのメンバーがグループを巣立つことになって、寂しい思いをさせてしまっているんじゃないかなって。それこそ責任感の強い後輩たちは『私たちが頑張らなくちゃ』と感じていると思います。その申し訳なさはありますね」。


ラジオはやっぱりホーム

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 2014年4月から2018年3月まで、ニッポン放送の関連企業で「OL兼任アイドル」として活動してきた。その頃を振り返り「楽しかったのは、メンバーと一緒だと最年長だけど、会社で働いていると最年少になれたこと」と笑顔で明かす。

 「良い意味で会社では甘えられるというか、上司や周りも芸能関係で働いている方なので、勝手をわかってくださっていました。そういう意味ではどこか気楽にOL兼任させていただくことができたんです。会社で働いていること自体を苦だと思ったことはないですね」

 唯一苦労したのは「スケジュール管理」だという。

 「私自身で乃木坂46のスケジュールを管理しながら、その合間を縫って、OLのスケジュールを提出しなくちゃいけなかったんです。最初の頃は土日に行われる握手会や、アンダーライブの予定くらいしかなかったので、大丈夫だったんですけど、2016年頃からはもう大変でした(笑)。会社の方には『すみません』と思いながら、お休みをもらっていましたね」。

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 2016年3月からニッポン放送で「乃木坂46 新内眞衣のオールナイトニッポン0」がスタート。2019年からは深夜1時台に昇格した「乃木坂46のオールナイトニッポン」のレギュラーパーソナリティーを務めた。そんな新内にとって、ラジオはどんな存在なのか?

 「ラジオはやっぱりホームです。特にコロナになってから、それを実感できたというか。2020年に感染拡大して、世の中がストップしてしまったと思うんですけど、それでもラジオはやり方を模索しながら続けることができました。ファンの方からも『週に1度、メンバーの声が聞こえるのはありがたい』とか『ずっと家にいるのでストレスが溜まるけど、まいちゅんやメンバーの声が生き甲斐になっている」などと仰ってもらって。改めて、私にとってラジオはホームだと感じましたね」。

 「乃木坂46のオールナイトニッポン」になってからは新内と週替わりパーソナリティの2人でお届けされることとなった。メンバーを招いての2人体制になったことで新内の意識も変化があったという。

 「いろんな後輩に積極的に声を掛けるようなりました。いきなり私のような最年長メンバーと2時間生放送するとなったら緊張するかなと思って(笑)。そうならないように、普段から何気ない会話をするようになりました。それは大きく変わった部分ですね」

写真集の自己採点は? 21秒間考えた末に出した答え

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※新内眞衣 写真集「夜が明けたら」より(写真 / 東 京祐)

 2ndソロ写真集「夜が明けたら」は、石川・金沢市と“OL兼任アイドル”だった彼女のゆかりの地である東京・有楽町で撮影された。大人っぽい表情から、無邪気に笑うキュートな魅力などを存分に堪能することできる。「色気のあるポージングだったり、素の表情なんかもたくさん撮影してもらいました。9年間、乃木坂の活動を続けてきたからこそ、できるような表情がたくさん詰まっていると思います。たくさんの人に見てもらいたいですね」とアピールした。

 “グループナンバー1の美脚”と称されるなど、抜群のスタイルを誇る新内。節目の30歳を迎えたばかりの彼女に、今後の目標について聞くと「ピラティスを続けること」だと明かす。

 「1〜2年前からハマっているんですけど、できればずっと続けていきたいです。というのも、基本は筋トレなので行く前は“しんどいな〜”と思うことの方が多いから(笑)。トレーニング中も、めっちゃきついんですけど、でもやった後は爽快感を得られる。ピラティスを続けることで、心身ともに健康であれたらと思います」。

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※新内眞衣 写真集「夜が明けたら」より ピラティスで鍛えた美しい背中も確認できる(写真 / 東 京祐)

 30歳を前に乃木坂46を卒業という大きな決断を下した。一般的な30代は転職に迷ったり、自分の働き方について様々な悩みや不安を抱えることも多いと思うが、新内は進路に迷ったとき、どのような思考で答えを出すのだろうか。

 「私は“明日死ぬかもしれないとして、それでいいの?”と思うようにしているんです。“本当にこれでいいのか”後悔するかしないかを、問いかけるようにしますね。そして迷ったら、まず行動に移してみることが大事。転職したいならば、すぐに転職サイトに登録するとか。それでわかることもありますよね。“やっぱり今の会社がいい”と気づきになることもあると思うし、少しでも悩んでいるのなら、まずは行動に移すことが大事なんじゃないかなって」。

 アイドルを卒業し、言うなれば新内にとっても転職の時期が訪れた。この先、仕事で挑戦したいことについて聞くと「ナレーションをやってみたいです」と力を込める。

 「声のお仕事はラジオをする中で魅力的に感じました。声色もその日のテンションで変わってきたりしますし、テレビやライブとはまた違う情報の伝わり方だと思っていて、そこが面白い。それこそ1つの文章を伝えるのでも、声によってさまざまな伝え方ができます。この先、機会に恵まれれば、ラジオも続けていきたいです」

 乃木坂46メンバーの写真集の恒例となりつつある「写真集の自己採点」。最後に新内は「囲み取材をさせていただいた時に130点と言ったんですよ。それで別の取材では200点と点数アップさせてもらいました(笑)。どうしよう……。(21秒間考えて)じゃあ今回も200点で…!」と笑顔で答えた。

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取材・テキスト / 中山洋平
撮影 / 藤木裕之

新内眞衣 卒業間近“生まれ変わっても…”
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