12日深夜、『カンニング竹山の土曜The NIGHT』(ABEMA)が放送され、新疆ウイグル自治区の弾圧問題について、ウイグル人関係者らが視聴者に想いを訴える場面があった。
この日は北京五輪の影で現在も続いているという中国共産党によるウイグル人弾圧問題を扱う特集の第4弾で、ゲストに事情を知るウイグル人関係者らを招き話を聞いた。
【動画】SNS動画で見るウイグル人弾圧の様子(1時間31分30秒頃~)
中国にいる兄が逮捕され、理由を明かされていないというユリチ サミさんは「いまだに日本でこういう話をしても『本当ですか?』と言われる」と実情について語ると「我々が言っているのはわずか一部。現地はもっと悲惨な状況。これはこういう機会として日本国民も関心を持っていただければ」とコメント。
さらにこの問題を「自分事」だと思ってほしいと語るサミさん。「中国共産党のやっていること、ウイグルから段々と香港、台湾、日本にきていると思うので、自分のことと考えて声を上げてほしい。国民全体が声を上げてくれると日本政府、政治家が動きやすくなると思う。なので自分のことと思って声を上げて、解決に繋がれば」と視聴者に語り掛けた。
兄が強制収容所に入れられて5年が経つというレイハンさんは、話す前に一度深く息を吐くと「ウイグル人のように平和的な民族が現在、悪魔のような酷い目にあって生きています」と吐露して「ウイグル人に生まれたのは私たちの罪ではない。私のお兄さんも普通の学校の教師で、父親で、大学を卒業した知識人で、平和に生きている人物。兄が収容所で家族みんなが苦しんでいます。こんなに平和な社会に住んでいる私も苦しんでいる。苦しまない、泣いていない日は1日もなく、精神的にすごく疲れたんです」と想いを語った。
そして「正義の立場でもっと中国に圧力をかけてほしい。私は日本人の人間性が高いと心から尊敬しています。日本人の方がウイグル人の立場で、正義の立場で私たちに力を貸してほしい」と呼び掛けた。
日本ウイグル協会副会長のレテプ・アフメットさんは、これはウイグル人だけの問題ではないとして「人間というのはウイグル人に限らず、どんな文化で生まれて、どんな親の元、どんな家庭で生まれるのかというのは自分で選べない。だから『お前はウイグル人の生まれで間違っているんだ』という風に言われても、こっちが悪いのではなく言ってきたほうが間違っている。ということを世界中が『そんな理不尽なことは言うな』ということをちゃんと声を上げてやらないと世界が不幸になる」と警鐘を鳴らした。
また「罪も犯していない人たちを部屋の中に閉じ込めること自体が犯罪」と人々を強制収容する行為を断罪したアフメットさん。
「ウイグルの土地と地下資源は欲しいけど、その上に生きる人間は邪魔だと、こういう考え方なんです。同化したいけど自然同化が進まないから力技で消してやろうとしているんです。それをいまの時代にそういうことは許されないということを日本を含めて世界中が声を上げてやらないといけない、やってほしいと思います」と訴えた。