チーム鈴木、決勝進出!鈴木大介九段が“覚醒”個人無傷の6連勝 ファンも興奮「進撃のD」「めっちゃ強い」/将棋・ABEMA師弟トーナメント
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 勝負師の本能が、超早指し戦という特殊環境でついに覚醒した。「第1回ABEMA師弟トーナメント」準決勝の第2試合、チーム深浦とチーム鈴木の対戦が2月26日に放送され、チーム鈴木がスコア3-1で勝利、決勝進出を決めた。勝ち上がる各チームは、若い弟子が師匠を助けるように勝つことが多い中、チーム鈴木は師匠の鈴木大介九段(47)が予選から無傷の6連勝。この快進撃にファンも「進撃のD」「めっちゃ強いんですけど」といった興奮の声を寄せた。

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 早見え早指しの振り飛車党。豪腕でならした鈴木九段が、持ち時間5分・1手指すごとに5秒加算というフィッシャールールで、眠っていた力を呼び覚ましたようだ。過去にも同じルールで戦う「ABEMAトーナメント」に団体戦となった第3回から2大会連続で出場。その際は、思ったような成績を残せていなかったが、弟子の梶浦宏孝七段(26)とのタッグに刺激を受け、予選は4戦4勝。そしてこの準決勝でも2連勝と暴れまくった。

 第1局、梶浦七段が深浦康市九段(50)に痛い逆転負けを喫した後、第2局に佐々木大地六段(26)と対戦した。先手の佐々木六段が居飛車・穴熊、後手の鈴木九段が四間飛車・銀冠の対抗形になったが、序盤は自を盤石とした佐々木六段がペースを握っていた。それでも中盤、相手の手を切り返すような捌きを見せると、ここから形勢挽回。両者、持ち時間が残り少なくなってからのねじり合いでも、決断よく、かつ気合の入った指し手が続く鈴木九段が徐々に抜け出し、最後は力でねじ伏せた。「途中は難しいと思ったんですが、最後ははっきり負けているんでしょうね。普段の将棋だったら投げちゃうところですが、師弟戦なので投げるわけにはいかない。弟子には勝敗より内容重視と言っていることが多いので、今の内容ではあんまり威張れたものじゃない」と苦笑いしたが、チームにとってはスコアをタイに戻す、値千金の勝利となった。

 続く第3局も、先後を入れ替えて佐々木六段との連戦になった。1対1の対人ゲームである以上、その勝敗に流れはつきもの。この一局はそれがもろに出る形にもなった。先手番の鈴木九段が中飛車、後手番の佐々木六段が居飛車の対抗形になると、解説していた大橋貴洸六段(29)が「先手が怖い形に見える」とこぼすほど鈴木九段が積極的に前に出た。これに佐々木六段が対応をし損ねた部分があり、ここから一気に鈴木九段がペースを握った。こうなると、もう押せ押せムード。79手という短手数で決着をつけ、若手実力者に2連勝して吹き飛ばしたことに、ファンからも「だいすけやべえ」「理事ちょっと別人じゃないの?」「覚醒のD」といった驚きと称賛の声が次々と集まった。それほどまでに、この日の鈴木九段は冴えまくっていた。

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 頼れる師匠から強烈な追い風を受けた梶浦七段も、第4局では手が伸びた。第1局で痛恨の逆転負けを喫した深浦九段の雁木に対して、後手番から工夫を凝らして周囲の人々を驚かせた。途中、もっと勝利に近いルートはあったものの、最後まで思い切りのいい指し手が続き、終わってみれば108手の快勝。師匠が作った流れを弟子が受け取り、強敵に勝つ。まさに師弟タッグによるトーナメント戦としては理想的な形で決勝へと勝ち上がった。

 試合後、鈴木九段は個人6連勝に「公式戦も含めて、ここ10年、そんなに勝ったことがない。びっくりしています」とおどけると、試合を決めた梶浦七段の勝利に「普段の公式戦でも、自分が勝つより梶浦が勝った時の方がうれしい」とニコニコ顔。この言葉に梶浦七段も「師匠が見ていると思うと身が引き締まる思いですし、先生が勝つと自分もとてもうれしい」とはにかんだ。タイトル経験者も多数参加していたこの大会で、テーマとなっている「絆」を強く感じさせた鈴木・梶浦の師弟。決勝は畠山鎮八段(52)、そして無傷の6連勝中の斎藤慎太郎八段(28)によるチーム畠山と戦う。予選リーグを1位で通過したチーム同士が、ついに「師弟日本一決定戦」へと向かう。

◆第1回ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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