「正しい情報を取り入れて」 現地の家族や友人からの情報を発信、在日ウクライナ男性の思い
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 自身のTwitterやInstagramでウクライナに関する疑問や質問を受け付け、日本国内に発信している在日ウクライナ人で音楽プロデューサーのXLIIさん。

【映像】家族が国外退避 在日ウクライナ人男性の思い

 ロシア軍が今まさに侵攻してきているウクライナには自身の家族や友人がおり、「彼らから直接聞いた情報を発信すれば、見る人が正しい情報を取り入れることができる」と思ったという。『ABEMA NEWS』はその背景やウクライナの現状について話を聞いた。

Q.SNSでウクライナに関する情報を発信することへの思いは
 「活動」とは思っていなくて。自分はニュースとか報道、Twitterの情報はあまり見なくて、現地にいる自分の家族や友達の話を聞いて、彼らから送られたデータを見てSNSにアップしている。この直接の情報をみんなもらったほうが正しい情報を取り入れることができるかなと。ふだん自分は政治的な話を一切していないというのは、以前からフォローしてくれている人はわかると思う。今回は直接自分の家族にも激しい影響があるので、これはやるしかないと思った。

Q.発信に対する日本国内の反応は?
 日本のだいたいの人は、今までの歴史やウクライナ自体がどういう国かわからないと思う。歴史も含めて、今までのウクライナ人の経験や考え方、国柄というものを話して今の状態を見てもらったら、よりリアルに感じるのではないかと思って(発信している)。みんなからは「こういう情報はニュースでは見られない」「SNSでも見られないからありがたいです」というメッセージがくる。

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Q.ウクライナにいる家族の状況は?
 1週間前に侵攻が始まって、2日目に自分から必死に何回も電話して、「すぐそこから出て、どこか西側のほうに行きなさい」って。お父さんは頑固で「行きたくない」って言うので、たくさんプレッシャーをかけて。お姉さんとか子どもたちとか、小さい赤ちゃんを連れて行って待機していたが、ちょうど今は国境を渡ろうとしていると思う(日本時間4日15時時点)。

 ハンガリーかルーマニアのほうに渡っていって、今のところはモンテネグロに安く借りられる家を見つけた。この状況がどれくらい続くかわからないので、検索でただ家賃が安いところを探して。3カ月分ぐらいの生活費があるが、8人なのでそこそこかかる。できる限り難民キャンプとかそういう経験を子どもたちにさせないように、自分の力で(住む場所を)借りられるんだったら借りてみようっていう話になって。車もあるので、車で移動して今向かっている。

Q.ウクライナの人たちが置かれている状況は?
 ミュージシャンやアーティスト、ブランドをやっている友達がいて、自分の子どもたちを電車に乗せてポーランドのほうに送っている人がけっこういる。男性たちができる限り残って、何かしらできることをやっている。お金を募集したり、ヘルメット・ベストを買ったり、車を持っている人はキエフから出てご飯を持ってきたり、いろいろな活動をしている。

Q.国民総動員令で男性はウクライナに留まって戦わなければいけない?
 戦わなくてもぜんぜん大丈夫。18歳から60歳の男性はウクライナに残ってくださいということで、国は「戦う自信がある人は、軍ではなくて個人で、武器を渡すので自分の村やマンションを守れる人が守ってください」と言われている。ただ、それは強制ではなく、普通に男性で避難している友達もいるので。

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Q.ロシアにいる知り合いはどのように話している?
 自分が直接つながっている人は多くないが、同じく音楽関係のミュージシャンの人たちは、今のところは何も言っていない。インスタも更新せず、一切何もない。「なんで何も言わないの?」って1回送ったが、「私たちは影響力がないのと、自分も生活があるので、ごめんだけど何も言わない」と言われた。やっぱり独裁なので、言ったら何かされるのかなと。それでも、モスクワとかサンクトペテルブルクでデモしている人たちはすごい勇気が必要だと思う。自分の生活や体にも危険があると思うが、立ち上がってデモをしているのは感謝しかない。

Q.日本にいる人ができることは?
 日本にいるからみんな知らないと思うが、ロシアではソ連時代からプロパガンダが激しくて、自分に都合のいい情報の見せ方が多い。その正しい情報を取り分けることが大事だと思う。情報のソースを調べないで、誰かのツイートを見てそれが事実だと思うのはすごく危険なこと。海外の情報だったら、その情報のソースがどこなのか、報道局のスポンサーがどこなのかということもちゃんと調べるのが大事だと思う。そういうことを調べた上で情報をシェアするのが大事。

 ウクライナにも金持ちやそうではない人がいて、場所によって激しい戦いがあるところ、何もないところがある。ただ、シングルマザーや家族が経済的に苦しい人たちが、今いきなり自分の国から出てどこかに行かなければいけない状態にある。そういった人たちへ、余ったお金があればサポートがしてもらえたらありがたいと思う。(ABEMA NEWSより)

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