東日本大震災から11年。11日放送の『ABEMA Morning』では、当時震度6強を観測し、津波被害にあった宮城県山元町で現在、語り部として活動する男性に話を聞いた。
こうした語り部の活動や新しい街づくりに取り組む動きが各地で進んでいる中、同放送では、福島県南相馬市の出身で、自身も中学1年生の時に被災したというテレビ朝日の佐藤ちひろアナウンサーがコメント。「街づくりの動きや震災について伝えていきたい」という思いを語った。
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私は中学1年生の時に被災したんです。帰省すると、今もよく海に行っているんですけれども、新しく作られた防潮堤を見ると忘れてはいけない、語り継いでいかなければいけないことだと改めて強く感じます。
アナウンサーを目指したのもこの震災がきっかけだったんです。震災から4カ月後、短期留学でハンガリーに2週間滞在したのですが、現地でその時の話をする機会をいただきました。その話を聞いて、私の宿泊先のホテルまで来てくれたおばあさんが、私の手を握って「頑張ってね。祈ってるよ」と言ってくれたんです。その時に、「伝える仕事ってすてきだな」と思いこの職を目指しました。
帰省する度に明るい話題を聞くようになりました。ガラス工芸の体験ができるお店や、県外から移住してゼロから酒蔵をつくり起業した人。そして、前に帰省した時に実家近くの旅館で食事をしたのですが、そこには四国から移住してきたという20代の男性もいました。四国に南相馬市から避難してきた人の話を聞いて、情報の伝わり方のギャップを感じ、「現地で復興に携わりたい」と移住を決めたそうです。
そして、南相馬市では近年、ロボット関連の取り組みが活発化しています。この1、2年の間に、ベンチャー企業40社が集積しました。南相馬市によると、最先端のロボットの研究開発所ができて研究しやすくなっているため、ベンチャー企業などが集まり始めたとのことです。新たな街づくり、発展を目指した動きが進んでいると実感しました。私も実際にロボットのイベントに行って、ロボットが作ったポテトなども食べたことがあるんです。本当に新しい街づくりが進んでいるなと思いました。
去年は10年という節目で震災をテーマにした絵本の朗読などもさせていただきました。これからもアナウンサーを通じて、復興の動きや震災についてこれからも伝えていきたいなと思います。(『ABEMA Morning』より)