ロシアによるウクライナ侵攻が開始された翌日から“反戦”の声を上げ続けている在日ロシア人YouTuberの女性が、母国に住む親族との認識の相違に困惑。「お母さんも『戦争のことは嘘』だといっている」と苦しい胸中を明かした。
ロシアで生まれ育ち、10年前に来日。現在はYouTuberとして活動するラナさんは、今回のウクライナ侵攻が開始された翌日に声を上げた一人だ。母国の行為に対しては時折り声を震わせながら「皆さんに顔を合わせられない。ロシアがやっていることは、恥ずかしいとしか思わない」と話す。
13日、ABEMA『ABEMA的ニュースショー』の中で「日本にいても政治的な発言は難しい」とするラナさんの発言について改めて真意をたずねられると「確かに自分は海外にいるから自由に発言できるかもしれない。もしロシアの政府にバレたら、自分の身が危ないだけではなく、家族に被害がある可能性がある」とラナさん。さらに「最近、ロシアの法律が厳しくなったので、私たちが電話して意見を言っただけで、次の日、ロシアの家に警察が来るのではと不安に感じている」とも。
すると、同じくロシア人YouTuberピロシキーズの小原ブラスさんは「実際にプーチンを支持している人はたくさんいる。やはりメディアの中でのプロパガンダであったり、そういったものを長年見続けて、信じてきていた人たちがたくさんいる。『プーチンが言っていることは正しいんだろう』と深く考えずに信じている人が多いという意味でも、プーチンが言っていることが世論になるというのはあると思う」とロシア国内の実情に触れたうえで「反対の声を上げたとしても、プロパガンダを見ている人たちに周りから止められてしまったり、警察に捕まってしまったりということはある」などと続けた。
議論の中でMCを務める千原ジュニアから「ロシアの方々は、現状をどのくらい認知されているのか」といった質問が飛ぶと、ラナさんは「インターネットを使えている方、30代くらいまでの方は、結構今起きていることを戦争と認識している方は多い。ただし、ソ連時代の方々がどうしてもテレビしか見ていないとか、インターネットを使っていないとか、そういった人たちが『ロシアがウクライナを助けるため』にそういった行動(侵略行為)をやっているということを信じている人が多いと感じている」と応じた。
さらに千原ジュニアが「年齢のいってる方は、プーチンがゼレンスキーからウクライナを守っていると思っている方がたくさんおられると聞く」と続けると「どうしても毎日テレビを見ていて、テレビしか信じない年配の方が多い。そういう方は『戦争が起きている』といっても、テレビの情報の方が正しいとか、インターネットに書かれていることは絶対嘘と考えている人が多い。私の家族も、私のお母さんが戦争のことは嘘だと言っている」「最近、お母さんやお姉さんと話をしていて、2人もロシアのテレビで言われていることが本当のことだと信じている。なかなか話が通じない…」など自らの家庭内の状況を困惑気味に告白。
家庭内で意見の相違を生む要因について小原さんは「テレビでやっているのは、SNSでアップされているのは西側メディアのプロパガンダみたいなことを言っている。だから、子どもたちが騙されているんだということを盛んに言っている。大人の責任として、子どもたちがSNSに惑わされないように指導するべきだということで、大人世代は『SNSを見るな』と言うし、子どもの世代は大人に対して『テレビを消せ』と言う。そこで家庭内分断が起きているというのは確かにある」と補足した。
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