路上生活者の収入事情について、実際に路上生活を経験したルポライターが明かした。さらに、「転売屋のバイト」を体験した時の様子も公開した。
【動画】アルミ缶拾いで"月20万円"稼げる理由(1時間16分頃~)
19日深夜に放送された『カンニング竹山の土曜The NIGHT』(ABEMA)では、昨年の夏に東京都内の路上で生活をし、その体験談をまとめた書籍『ルポ路上生活』(KADOKAWA)の著者である國友公司氏をゲストに招き、東京の路上生活者の実態にせまった。
路上生活者の収入事情について、番組では「アルミ缶回収で月収20万の人も」と紹介。國友氏によれば、そこまでの高収入を得られるのはいわゆる「超人」で、アルミ缶を集めるルートや、場所によっての業者の回収頻度を知るなどの「コツ」も必要だという。マンションなどの敷地に勝手に入ると逮捕されることもあるため、管理側と“契約”をして回収する人もいるのだとか。
世間では空き缶拾いが路上生活者の仕事の定番のようなイメージがあるが、國友氏は「限られた人しかできない仕事」だと説明。路上生活者のなかでも缶を貯めておくための小屋が必要で、日中移動を強いられる人には難しいそう。また、現在アルミ缶はおよそ1キロあたり210円ほどだが、緊急事態宣言下には1キロおよそ90円に下落するなど、値段の変動のも大きいのだという。
高齢者の路上生活者のには年金を受給している人も多いと語った國友氏は、ほかにも「ダンボール手帳」と呼ばれる、路上生活者向けの「給食受付表」があると説明。登録すると月に3回ほど東京都から清掃の仕事がもらえ、國友氏よれば月に2万5000円ほどの収入になるという。
労働自体は2~3時間で8000円をもらえることもあるそうだが、國友氏は「これは仕事というより福祉の一環」だと解説した。
さらに國友氏は「転売屋のバイト」も体験したと告白。その日はトレーディングカードゲームのカードの購入を求められたそうで、ほかにもそのときの流行によって、人気ゲーム機やプラモデルといったものを購入するために列に並ぶこともあるという。
収入は「領収書を1枚転売屋に渡すごとに1000円」で、手順としては最初に現金を渡されて「これで買えるだけ買ってください」という指示をもらうそう。「持ち逃げをする人がいるのでは?」という質問に、國友氏は「持ち逃げしちゃうとその仕事がもらえなくなる」と、収入源を失うデメリットがあると解説した。
國友氏によれば、1回の転売屋の仕事で5000円ほどの収入となり、頻度は時期によって変わるが月に3、4回ほどあるという。ほかにも「パチンコ屋の店舗に並ぶ」といった仕事もあり「1回千円ぐらいで1日何店舗も回る」と説明した。