“日本一のイケメン高校生”を決める「男子高生ミスターコン2018」にてグランプリを受賞し、ドラマ『桜の塔』(EX)、『17.3 about a sex』(ABEMA)などに出演する新原泰佑。俳優業だけでなく、現在は朝の情報番組『THE TIME,』(TBS)で火曜レギュラーを務め、端正なルックスと爽やかな笑顔が注目を集めている。
そんな新原が新境地を切り開いた。ABEMAプレミアム限定のオリジナルドラマ『私が獣になった夜~好きになっちゃいけない~』第2話『読めない男との夜、わからない私』で、自身初となる情熱的なラブシーンに挑戦。役柄は、神奈川生まれの韓国人・シウ。ウソの片言日本語と甘いマスクで女の子にモテまくるあざと男子でありながら、本心ではヒロインのほのか(久保乃々花)に真っすぐな思いを寄せる、二つの側面を見事に演じきった。
女の子に上手に甘える片言の日本語に、子猫のような愛らしい瞳。新原の天性のあざとさが役柄に反映されたのかと思いきや、裏側では、職人のように計算に計算を重ねた役作りを行っていた。「現場に入るまでに韓国のアーティストさんが日本語を話している動画を何本も見て参考にしました。台本は、アルファベットに書き換えて読みにくくして。『た』や『ち』という言葉には『C』の音を入れて、『だ』には『G』を入れて発音するように練習しました。発音もすべて台本に書き込んで、最終的には台本が真っ黒になってしまいました」。
一方、ラブシーンに関してはあえてノープランで現場に向かった。「ヒロインのほのかを演じる久保乃々花さんとは今回がはじめまして。まずは2人の距離を縮めていかないとなにも生まれないと思ったので、事前の準備はしていきませんでした」。現場に入り、久保とコミュニケーションを重ねながら、美しくカメラに映る角度やドキッとする距離感、台詞の間など、細部にわたって話し合い、ロマンチックなラブシーンを作り上げていった。
完成したラブシーンからはシウの純粋な愛情が画面越しからも伝わってくる。ほのかはその愛情に身を任せ、快楽におぼれていく。「アングルや流れは決まっていましたが、心の中はあくまでも純粋な好きという感情。大切なものを丁寧に扱い、繊細で、男らしさも伝わるように意識しました」
お互いに不安と緊張を抱えながら、テストも何度も繰り返し挑んだ本番。カットがかかると、監督からは「いい絵が撮れた」という言葉が2人にかけられたという。2人は顔を見合わせ「よしっ!」とガッツポーズ。初めて緊張が和らいだ瞬間だった。
気になるのは周囲からの反応。「どんな反応があるのか想像がつかないですね。実はまだ家族にも話していなくて、もしかすると見る前に家族会議が行われるかもしれません(笑)」。その一方で、多くの人に伝えたいこともある。「シリーズすべてのテーマとなっているのが『女だって本能のまま求めたい夜がある』という言葉。僕は、これまでのシリーズを見たときに、この言葉を聞いて男としてはハッとさせられました。このドラマは、女性にとっては共感できる部分がたくさんあるし、男性は考えるきっかけになると思います。その中でも僕が演じた作品は幸せがいっぱい詰まった物語です。僕の新たな一面も含めて、ぜひたくさんの人に見てほしいです」。
俳優として、一人の男性として、ますます磨きがかかっていく新原泰佑から目が離せない。
『私が獣になった夜~/好きになっちゃいけない~』はABEMAプレミアムにて配信中。また新原泰佑が出演する音楽劇『「クラウディア」Produced by 地球ゴージャス』は2022年7月より公演。
テキスト・取材:氏家裕子、撮影:You Ishii