保育園からの幼馴染・みやぞんさんと結成したお笑いコンビ「ANZEN漫才」で知られるあらぽんさん。妻・よめぽんさんと13年のお付き合いを経て、2017年に結婚。2020年には第1子となる“ベビぽん”が生まれたことを報告しました。
2020年にAmebaブログを開設し、妊活中に発覚した子宮筋腫や不妊治療について正直な心の内をブログに綴り、話題を呼んだ妻のよめぽんさんに、ブログで発信することを決めた理由を伺いました。
■妊活や不妊治療の経験をブログに綴る理由
——さっそくですが、よめぽんさんがブログで妊活や不妊治療について発信しようと思った経緯を教えてください。
私自身、妊活をはじめたときや子宮筋腫が発覚したときに、ネットでたくさん検索したんです。
妊活については、いろんな方のブログやインスタグラムで知ることができ、「こういう方もいるんだな」と思ったんですが、子宮筋腫については参考になる情報がなかなかヒットしなくて。
自分と似たような経験をしている人に伝えられたらと思って、これまでの経験をまとめて発信することにしました。
——妊活というテーマの発信は、勇気がいることかと思います。そこに不安はありませんでしたか?
私よりもつらい思いしてる方や、妊活を何年も頑張ってる方もいらっしゃると思うので……。私のブログを読んで嫌だなと感じる人もいるだろうなという心配はありましたね。言葉を選んで自分の経験を伝えるように意識しているものの、そこは少し複雑でした。
それに妊活について書くとなると、どうしてもあらぽんの話をしなくちゃいけない。だから「夫婦関係について周りにどう見られるんだろう?」という不安もありました。
でも、あらぽんが「自分たちしか経験してないようなこともあるし、ちゃんと書いた方がいいよ」と言ってくれて。背中を押してもらいまいました。
■ブログを書くようになって、より夫婦のコミュニケーションが増えた
——実際にブログをはじめてみて、いかがでしたか?
読者の方のコメントには、すごく励まされましたね。妊活や不妊治療について「自分も同じでした」とか「参考になりました」と言ってもらえたことが、書く原動力になりました。
あとは、自分たちのヒストリーというと大袈裟ですけど、妊活のことを日記みたいに残せるのもいいなと思いました。
子宮筋腫の手術や不妊治療を経てベビぽん(娘さん)がきてくれて、子どもってすごい奇跡だなって思ったんですよね。
でも、子育てに追われていると目の前のことで精いっぱいで、妊活してた頃の出来事や気持ちを思い出せなくなってくる感じがあって。
でもブログを読み返すことで「ベビぽんはそんな大変な時期を乗り越えてきてくれたんだ」と思い出せるし、育児が大変なときも乗り越えられます。
——よめぽんさん、あらぽんさんはご夫婦でAmebaブログを書いていますが、お互いのブログを読むことはありますか?
そうですね。私はもともと、あらぽんの頭の中が見えるような文章が結構好きなんです。自分とは違う視点で物事を見ているのが、おもしろいなと思って読んでます。
逆に、あらぽんも私のブログを読んでくれていて。私が書いた妊活に関する記事はリブログして、男性目線で感じたことを補足して書いてくれてました。
お互い妊活や不妊治療について書くようになってからは、「これ公開したいんだけど、読んでみて」とコミュニケーションが増えたし、改めて当時の思いを共有し合えたように思いますね。
■待合室には夫婦がいっぱい。イメージと違った不妊治療のクリニック
——あらぽんさんは、当初から妊活や不妊治療に協力的だったのでしょうか?
うーん……。ずっとやさしいのですが、協力的かといえば、そんなこともなかったと思います。特に最初は、不妊治療のクリニックに男性が行くことに不安があったらしくて。
でも、最初に私ひとりでクリニックに行ってみたら、夫婦で来てる人ばっかりだったんですよ。なかには男性ひとりで来ている人もいました。
私もあらぽんも、思ってたイメージと全然違ったんです。「だから大丈夫だよ」と伝えたら安心したみたいで、一緒にクリニックに行ってくれるようになりました。
——よめぽんさんの働きかけもあって、あらぽんさんも変わっていったと。
そうですね。ただ私たちの場合は、子宮筋腫の手術をしたことも大きかったと思います。
妊活を考えはじめた頃、婦人科で10cmを超える子宮筋腫が見つかったんです。その手術を終えたときに、お医者さんに「見ますか?」と聞かれて、あらぽんだけ切除した筋腫を見たらしいんです。
その筋腫を見て、「うおっ」てびっくりしたそうなんです。こんなに大きなものを抱えてたんだというのを、リアルに体感したらしくて。それで「俺も頑張らなきゃ」と思ってくれるようになったのもある気がします。
■「俺、精子まで太ってんのかよ!」あらぽんの意識を変えたセルフチェック
——その後、あらぽんさんは精液検査も行ったと伺いました。こういった検査は、男性のプライドが邪魔して踏み出しにくいとも聞きますが、実際どうでしたか……?
あらぽんは、クリニックに行って検査する前に「精子セルフチェックサービス」を使ったんですよね。スマホアプリとキットで、自宅で精子をセルフチェックできるサービスなんですが、「俺は、まず自分で見てみたい」って言って。
——なるほど。クリニックに行く前に、小さなステップを踏んだわけですね。
まさにそうです。それで、セルフチェックサービスを使ってスマホ画面で自分の精子を見たあらぽんが、「動きが超鈍いんだけど!俺、精子まで太ってんのかよ!」って言い出して(笑)。
それで焦ったのか「専門家の意見聞いてくる」とクリニックで検査してくれて、健康にも気を遣ってくれるようになったんです。
セルフチェックならすごく簡単なので、いきなりクリニックに行くのはちょっと、という男性にもおすすめしたいです。
——そのほか妊活のハードルを下げるためにできることがあれば、ぜひ教えてください。
これは男性も女性もですが、「妊活」って周りに言いにくい部分がありますよね。言葉として重たく感じたり、「スキンシップはあるのに妊娠できないんだ」って思われる気がしたり……。
でも「妊活」という言葉を使わずとも「子ども欲しいんだよね」と言ってみると、意外とたくさんのアドバイスがもらえるんです。だから、ときには勇気を出して妊活について話してみるのもいいのかなと思います。
あらぽんも周りの人に「妊活してるんですよね」とオープンに相談してくれて、結果いろんなアドバイスや情報が集まってくるようになりました。
■妊活をはじめて夫婦関係の変化が……
——妊活、子宮筋腫の手術、不妊治療といった経験を通して、夫婦関係に変化はありましたか?
妊活をする前は、お互いマイペースで趣味や仕事に没頭しがちだったんですよね。彼には彼のペースがあるから、「ご飯できたから食べる?」って聞いても「ごめん、俺今からネタ作るから」みたいな。それは大事なことだと思ってるし、怒ることもなかったんですけど。
でも妊活、特に不妊治療をするとなると、人工授精や検査のためにクリニックに行く日を調整しなきゃいけない日が何度もあって。それにも嫌な顔をせずに時間を作ってくれてありがたかったです。
そういうところで、印象はちょっと変わりましたね。今まで以上にやさしくなって、考え方とか行動がより柔軟になったなって。
——心強いですね。お父さんとしても頼りになりそうです。
そうですね。ベビぽんが生まれてからも、一緒にご飯食べたり出かけたり、家族で過ごす時間をちゃんと作ってくれています。パパとしては最高ですね。……なんて褒め過ぎかな?(笑)
後編では、さらに詳しく伺っていきます。
不妊治療で夫婦仲がピリついた時期もあったとか……!?