微妙な変化を読み取れるのは棋士だから?それとも仲良しだから?将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」に出場する三浦弘行九段(48)、池永天志五段(29)、伊藤匠五段(19)の3人は、大会恒例となっているチーム動画の収録で「はぁって言うゲーム」に挑戦。お題に沿って、周囲にどんな思いで演じたかを伝えるものだが、口数の多いタイプではない伊藤五段のターンが超難問に。ただこれを「付き合いが長い」という三浦九段が的確に当てるという好手を連発した。
三浦九段と伊藤五段は、チームで一緒になるのは今回が初だが、第3回大会のころから超早指し対策の練習パートナーとして何度も盤を挟んだ間柄だ。最近では三浦九段は、30歳近く下の伊藤五段を「たっくん」と呼ぶほど。池永五段によれば「『イトタク』の方が多いイメージですかね。本人がいたら『伊藤君』とかじゃないでしょうか」と、この「たっくん」呼びが将棋界でもレアだと説明した。
過ごした時間の長さが、この動画収録で出くわした難問(?)も見事に解決した。ゲームで最初の出題者になったのが伊藤五段だったが、低いトーンの声で「おーい」と発したが、三浦九段と池永五段は早速頭を悩ませた。それでも三浦九段が「ぼんやりしている人に『おーい』」を選ぶと、これが正解。「たっくんのことはよく知っているから」とニンマリすると、伊藤五段も「正解してくれてホッとしました」と微笑んだ。
快進撃はまだ続く。今度は名前を呼ぶテンションについてのお題だったが伊藤五段の「三浦さん」を、三浦九段は「怒って『三浦さん』」じゃないの?」と、また的中。さらには「ヤバい」がお題になった際には、「たっくんは、あまり『ヤバい』という状況に陥らないんですよ。だからちょっとしたことで身の危険を感じるんじゃないかと」と推理。これがまたもや正解につながった。これには横で見ていた池永五段も「そこまで読まないといけないのか」とこぼし、収録スタッフからも笑いが漏れていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)