この春、デビュー10周年を迎えた俳優・塩野瑛久。数々のドラマ、映画、舞台など幅広く活躍しているが、今後の活動で興味を持っているのがアニメ作品への出演だ。実は塩野、少年時代からヒーロー・バトル系の王道作品を楽しみ、大人になってからは深夜帯に放送する作品もチェックするほどの、大のアニメ好きだ。「アニメは作者のこだわりが見えたら、頑張って見るし応援したくなっちゃいます」と、単なるファンとしてだけでなく、俳優というエンターテインメントを届ける者として作品を見ている塩野に、その魅力を聞いた。
10代だったデビュー直後は学園もの、戦隊ヒーローに始まり、その後は様々な役を演じてきた塩野。いずれ声優としてアニメ作品に携わりたいという夢を持つ分、見ていてもその構成、作り込み具合に目が行くことが多い。昨年1月から3月まで第1期の第1クールが、10月から12月まで第2クールが放送されたアニメ「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」でも、その作画のクオリティにまず心を奪われた。
塩野 とにかく作画がいいですよね。すごくきれい。オープニングの挟み方とかも好きです。作画やストーリーのテンポとか、すごいですよね。バトル内の動きとか、間とか、そういうのが上手だなと思って見ていました。僕はバトルシーンとかで涙を流しちゃうこともあるんですよ。アニメーターさんたちの仕事ぶりを考えると感動しちゃって。ちょっとしたこだわりだったり、カメラのアングルだったり、そういうものに惹かれますね。結局「作品」として見ていることが多いんですよ。
「無職転生」は、部屋に引きこもってゲームやネットに明け暮れるだけの34歳のニート男が、交通事故に遭い死亡…したと思った次の瞬間、剣と魔法の異世界に生まれたばかりの赤ん坊として転生するというストーリー。少年ルーデウスとして生まれ変わった男が、前世の記憶と後悔を糧に、出会いや試練に直面しながら「今度こそ本気で生きていく」姿と壮大な冒険が描かれる大河ファンタジーだ。
塩野 人間をすごく研究している瞬間とかにも感動するんです。ピックアップされがちなのは喜怒哀楽ですけど、その喜怒哀楽の間にある感情をアニメで見られた時、そこを細かく描いた人たちがすごいなと思うし、そこを手を抜かずにやってくれたことにうれしさを感じるんです。笑う場面でも、ただの笑いじゃないってあるじゃないですか。眉間にしわが寄ったり、それがまた一瞬だったり。そういうところに見入っちゃいます。
三次元の世界で演技をしている俳優だからこそ、アニメだから表現できるものへの憧れも強い。
塩野 アニメだと特に「こんなアングルから撮るんだ」というものも多いですね。アニメでしか絶対にできないカメラワークがあるじゃないですか。もちろん映像作品でもすごいものはたくさんありますが、アニメって距離感とかがバラバラでも、カメラを歪ませることもできるので変幻自在ですし。その自由度がいいですよね。
「無職転生」は第2期の放送が決まっている。ここでもまた、塩野が喜ぶ細部へのこだわり、斬新なカメラワークが見られることだろう。
(C)理不尽な孫の手/MFブックス/「無職転生」製作委員会
『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』
○第2期制作決定
○各配信プラットフォームで配信中
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