ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻が始まって以降、隣国のポーランドにはウクライナから多くの国民が避難している。
【映像】試験勉強もままならず…悩むウクライナの“受験生”(避難先の様子)
避難者の人道支援の中で大きな役割を担っているポーランドでは、ウクライナと同じカリキュラムが受けられる学校もあり、避難したウクライナの子どもたちに教育の機会を提供している。
戦争によってストレスを感じているのは、小さな子どもだけではない。もうすぐ成年を迎える子どもも、環境の変化によるストレスを抱えている。現地で17歳の男の子を取材したANNバンコク支局・久須美慎記者はこう語る。
「男の子は17歳で、この年齢はウクライナでいうと最終学年にあたります。ウクライナでは今がちょうど卒業シーズン。今後の進路をどうするか。そんなときにポーランドに避難することになったそうです」(以下、久須美記者)
ウクライナの大学に行くのか、このままポーランドで暮らすのか。男の子は進路をどうするか、結論を出せずにいる。
「17歳の男の子は、もともとウクライナの大学に進学を予定していました。しかし、ポーランドで避難生活が長引いている。ウクライナの大学に進学するかどうか、まだ決められていないそうです。避難所では試験勉強もままならず、漠然とした将来の不安を抱えているように見えました」
国民総動員令が出されているウクライナでは、18歳から60歳の男性は徴兵の可能性があり、出国できない。17歳は徴兵をリアルに感じる非常に難しい歳だ。
「男の子は来年の3月に18歳になるそうで『徴兵されたら行く』と言っていました。国家総動員令もあって、男性は国に残って、女性と子どもは国外に出る。ウクライナでは、そういう家庭が非常に多くなっています。この男の子と一緒に避難している母親は『ウクライナに戻りたい』と話していました」