ABEMAでの配信が始まった韓国ドラマ『初対面だけど愛してます』。人の顔が見分けられなくなってしまったやり手ビジネスマンと、彼にこき使われてきた元秘書の間で芽生えた不思議な絆を描くラブコメディだ。大企業の次期代表をめぐる人間模様も交えながら、2人の恋の行方を見つめていく。
T&Tモバイルメディア1チーム本部長で、次期代表とも目されている実力者の上司ミニク(キム・ヨングァン)の秘書として、彼の理不尽な要求にもすべて応えるように働いてきたガリ(チン・ギジュ)。しかし、ミニクは同じ秘書を1年以上使わない方針を持っており、ガリの契約も解除。その後、不審者に襲われ怪我をしたミニクは、人の顔を認識できない失顔症になってしまう。自分が顔を見分けることができる人物がガリだけだということに気づいたミニクは、再び彼女に秘書となって助けてほしいと頼む。
わがままな上司と、他の秘書からも“パシリ”と言われるほど彼に尽くしてきた秘書との力関係が、一瞬にして変化してしまうところが見どころの『初対面だけど愛してます』。常に車で移動するためコートを着ないミニクに合わせるため赤いカーディガンばかりを愛用してきたガリを、その印象的なルックスゆえにミニクが認知できるという設定がおもしろい。しかし、カーディガンを脱いで髪型を変えてしまうと彼女であることがわからなくなってしまうことから、“別人”となったガリとミニクとのもう一つの関係が始まる。
ミニクを演じているのは、『ピノキオ』、『ウチに住む男』のキム・ヨングァン。完璧主義で傲慢に見えるが、実は亡くなった父と恋人との間に生まれ、義理の母親との間には葛藤を抱えているという人物だ。そんな彼が、映像企業シネパーク代表のベロニカ・パクに代わって見合いの席にやってきたガリをベロニカ本人だと思い込み、次第に惹かれていく。一方で、秘書として日常的に会う本当の(?)ガリにも心安らぐようになり、混乱してしまう。
家族を支えるため、プライベートを犠牲にしてまで仕事に打ち込むガリ役は『ここに来て抱きしめて』、『最高の贈り物〜ようこそ、サムグァンハウスへ〜』のチン・ギジュ。自分がいないと何もできなくなってしまったミニクを支えながら、彼に好意を感じていくが、彼がベロニカだと思っている人物も自分であることをなかなか彼に伝えられない。
一方、“本物の”ベロニカを演じているのはガールズグループRAINBOWのリーダーとしても活躍したキム・ジェギョン。まるで欧米人のようにジェスチャーが大きく、独特の話し方をする破天荒な人物だが、仕事は優秀というキャラクターを生き生きと演じている。かつて自分の秘書だったガリと協力し、次第に彼女を応援していくようになる姿も微笑ましい。そんな彼女が一目惚れしてしまうのが、ミニクの親友で同じくT&Tの本部長であるキ・テジュ。『私たち、恋してたのかな?』のク・ジャソン扮する彼の複雑な心情も徐々に明らかになっていく。
顔は見分けられなくても、心でつながるミニクとガリの恋は、ハッピーエンドを迎えることができるだろうか?
『初対面だけど愛してます』はABEMAにて全話配信中(第1話~4話までは無料配信)
(C)SBS
テキスト:佐藤結