人気女性声優の古賀葵さんと市ノ瀬加那さん。お2人が共演するTVアニメ「かぐや様は告らせたい」(以下、「かぐや様」)第3期が、4月から放送されている。
「かぐや様」は、名家の子息などのエリートが通う偏差値77の名門高校・秀知院学園を舞台に、生徒会に所属する会長・白銀御行と副会長・四宮かぐやの恋愛模様をコミカルに描いたラブコメディ。古賀さんは、3期を通じて主人公のかぐや役を担当して好評を博し、いっぽう市ノ瀬さんは最新シリーズから本格参戦となったかぐやのライバル的な立ち位置の令嬢・四条眞紀を演じている。
主役とライバル令嬢という対照的なポジションながら、それぞれに演技の上で苦労する点があったことが、インタビューを通じて明らかになった。
――「かぐや様」第3期で、いよいよ四条眞妃が本格登場しましたが、まずは市ノ瀬さんの第3期の収録についての感想からお聞かせください。
市ノ瀬加那さん(以下、市ノ瀬):そうですね、第1期、第2期、第3期とありがたいことに続いていって、眞紀ちゃんを演じさせていただくことができて本当に嬉しいです。第1期と第2期は4話に1回くらいのペースで出ていたんですが、出てきたかと思えば一言二言とか、アドリブのみだったりとかして。そのころは結構キー高めで演じていて、何かこう、ハム太郎みたいな感じと言われていました(笑)。
第3期からいよいよ本格始動ということで、もう出てくる話数、毎回嵐のように去っていく感じですね(笑)。第3期の感想としては、やっぱり皆さんのお芝居のツッコミの熱量が凄まじくて、本当にすごい作品に関わらせていただいたなと思いました。
――第3期でガッツリ出るようになってから、眞紀を演じられる上で意識し直した部分はありますか?
市ノ瀬:最初は眞紀ちゃんにはキー高めなイメージをずっと持っていて、マスコットっぽい印象が私の中ではあったんですよ。で、第3期で台本をいただいて、自分でもお家で練習しているときに結構高めのトーンで練習していて、そのままテストに臨んだら「もうちょっと落ち着いた感じの方向性で大人っぽく」といったディレクションをいただいて……。というように第3期で形が決まっていったので、今までの眞紀ちゃん像を改めて作り直す作業から始まりました。
――ありがとうございます。いっぽう古賀さんは、第3期の収録についてはどんな感想をお持ちですか?
古賀葵さん(以下、古賀):そうですね、現在はすでに収録を全部終えているんですけど、第6話くらいから話が文化祭のお話にシフトしていくので、いつもの「かぐや様」のワチャワチャしたギャグもあり恋もありという感じから、ストーリーが動き始めるシーンになっていって、さらに後半に行くにつれて加速していくような部分がありました。
やっぱり、第3期で「ウルトラロマンティック」というサブタイトルがついているところで、原作を見ていらっしゃる方には「ついにあそこが来るのか」とわかっていただけると思いますが、演じている我々キャスト陣も第1期、第2期とはまたちょっと違う感じをみんな持っていたんだろうなという感じがヒシヒシと伝わってきていましたね。
第3期で眞紀ちゃんがすごくたくさん登場してくれるようになってからも、また新しい風がブワッと吹き込んできて、そこが新鮮な感じもあったし、「ようこそおいでくださいました!」というところもあったし(笑)。第3期はまた、第1期、第2期とはちょっと違う顔ぶれがちょこちょこ出てきたりして、またさらに作品の深みが出たんじゃないかなと思います。
それと、第1期、第2期はまだ全員で収録することができていたんですけど、第3期はグループ収録になっていて「誰々さんと一緒だけど誰々さんは別グループだ」みたいな感じで、みんなで一緒に録ることができなくなっていたんです。
この「かぐや様」という作品は掛け合いがすごく激しくて、第1期、第2期では相手のお芝居を聞いて「それを受けてこうなる」みたいな返し方ができていました。それが第3期ではよく絡む人たちと一緒のグループで収録させていただいたりはしたんですけど、やっぱりなかなか一緒になれない子もいたりして。今までのお芝居されてきた感じとか、「こう来るんだろうな」というのを予想したりしながら演じていました。
あと、「かぐや様」の現場って全員でテンションをぐっと持ち上げるというか、みんないることによって自分ひとりでは出せなかったパワーが出る感じがすごくあって、それを第3期では自分の力だけでやらなきゃいけないというところで、自分的にはそこがすごく戦いながらやったポイントだったなと思います。
――収録が一緒なのが多かった人というと、白銀会長役の古川慎さんとかですか?
古賀:そうですね、会長はだいたい同じ時間帯にしていただいていました。あとは……それこそ市ノ瀬さん、眞紀ちゃんが同じ時間帯だけどブースは別とかでしたね。要所要所で、より絡む子たちが出るときはそこで固めていた感じでしたね。
担当キャラクターを1から作り直したという市ノ瀬さんと、収録スタイルの違いから新たな道を模索していた古賀さん。それぞれに苦心しながらの収録だったことが、お話からヒシヒシと伝わってきた。
そんなTVアニメ第3期「かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-」は現在放送中なので、より集中して耳を傾けてみてはいかがだろうか。
(C)赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会