「アホな制度のせいで“自然エネルギーは高い”という間違ったイメージが刷り込まれてしまった」辛坊治郎氏が太陽光発電の固定価格買取制度を猛批判
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 ABEMANewsBAR橋下』に辛坊治郎氏が生出演。橋下氏と太陽光発電の可能性について議論した。

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 「夕方のニュースのキャスターをやっていた頃、原発への賛成・反対はともかく、電力について喋ると“お前だって電気を使っているだろう”と言われるのが嫌だった。それで自宅で使う分くらいは自分で発電できるか試してみようと。当時、全国各地の自治体が補助金を導入していたのに、大阪は補助金ナシ。だから全て自腹を切った」と語り始めた辛坊氏。

 「絶対にペイしないだろうと思っていたけれど、屋根の太陽光でなんとかなった。ただ、関西電力が買い取る値段が、買うが値段の方がちょっと安いから、50年くらい使っていれば元が取れるかな、くらいの感覚だった。ところが2012年、ある政権が固定買取制度(Feed-in Tariff、FIT)という、とんでもない制度を始めた。あ、原発推進・自然エネルギー潰しという意図が見え見えだと思った。それでもメディアはバカだから、“自然エネルギー推進の法律ができました”と新聞に書いてあった。

 もともとタダ同然のものを電力会社に高値で無理やり買い取らせ、そのための費用は他のユーザーに負担させる。こんなことをすれば、目端が利くやつはボロ儲けできると考えるだろう。俺は社会的立場があるし、めんどくさいからやらなかったが、“山に土地を買って太陽光をやろうか、そうすれば一生遊んで暮らせる”と思った。実際、当初は権利を売買して儲ける人まで出てきた。

 それで一気に太陽光が増えたから、色々な所に歪みも出てきた。世論も見事に騙されて、“自然エネルギーは高い”というイメージが刷り込まれてしまった。自然エネルギーの方が絶対に安い。もちろん、雨風等でパネルの表面は劣化していく。でも、10年で使えなくなるみたいなことはない。ただ、送電線に流すためのパワーコンディショナーという数十万円の装置は、10年くらいで劣化してしまう」。

 さらに辛坊氏は続ける。

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 「それでも太陽光発電がなければ、今日(2日)の東京は大停電していただろう。東電が持っている原発を全て今すぐ再稼働させても、実は太陽光の発電量の半分にしからならない。それなのに、日本中の原発を再稼働すれば日エネルギーを賄えると言うバカがテレビにいっぱい出ている。計算したことあるの?って。確かに原発は夜中でも発電ができるから、余った電気を蓄電池に貯めておいて、昼間のピーク時に放出することもできる。だけどそんなことをするよりも、太陽光で余った電力を貯めて、つなぎの時間に放出する方が蓄電池の量もはるかに少なくて済む。どっちが合理的かとういう話だ。

 これをもっと早くやっておけばよかったし、俺が10年前に独裁者だったら、今ごろ日本人はタダの電気を無限に使える状況になっていた。だけどこの国はそっちに舵を切れなかった。そこにはやっぱり原発信仰みたいなのがある。例えば原発に使われるウランの残存量は、どんなに長く見積もってもあと数百年分あるかないか。そこで日本では原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して、燃えないウランを燃えるウランに転換するということを考えた。

 これが実現できれば、1000年、2000年はエネルギーに困ることはないだろうと、天文学的な額のお金をかけて、本気で取り組んでいた。だけどプルトニウムの原子炉というのがうまくいかなくて失敗した。ここに天文学的な額のお金がかけてきたわけだ。確認された原発については動かせ、というのが俺の元々の立場。だけど10年経って考え方が変わってきたのは、関西では原発が動いて無くても太陽光で何とかピークを乗り越えられている」。

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 橋下氏は「後で補助金が付くようになるんだけど、大阪でゼロにしたのは府知事だった僕」と苦笑。

 「ただ、この固定買取制度のために国民は見えないところで年間2.7兆円を負担している。あの時の政権が1km/hあたり40円という価格を決めた時、役所は大激論になった。経産省も市場連動型のFIP(Feed-in Premium)で緩やかに増やしていかなければ絶対にもたないと猛反対した。結果的に普及はしたし、価格もバッテリーも安くなってきたから、家庭内くらいは賄おうよ、ということでもいいと思う。ただ、今はどうしても太陽光で賄える部分を火力などでお金をかけて回しているものだから、その中で安いのは原発、というふうに言われている。そこは政治が10年、20年、30年というスパンで、蓄電池の問題をしっかり解決していかないといけない」とコメントしていた。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)

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