8月19日(金)より全国公開される映画『ハウ』の完成披露上映会が1日、都内にて開催され、田中圭池田エライザ、渡辺真起子、モトーラ世理奈、長澤樹、犬童一心監督、そしてハウ役の俳優犬・ベックまで、豪華キャストが勢ぞろいした。

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 舞台挨拶では、暖かな拍手に包まれながらキャストと監督たちがステージに登壇。その後、田中の「ハウー!」という呼びかけに応えるように、舞台袖からベックが元気良く登場した。しっぽをふりながら田中の元へ駆け寄り、田中の指示でステージ上にきちんと“おすわり”したり、その顔をぺろぺろ舐めたりと仲良しさが伝わる様子に、会場からは拍手喝采。さらに、田中はベックにマイクを向け、「『天才俳優犬のベックです、ハウを演じられて幸せでした。みんなありがとう』と言っています!」と、まさかの犬語通訳まで披露し会場を盛り上げた。

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 ベックの可愛さに、客席からも思わずため息のような優しい歓声が漏れ聞こえるなか、キャストがベックの魅力についてコメント。

 池田は「この大きなボディにたくさんつまった愛とか、ふところの広さとか、瞳がすごく好きです。まっすぐ見つめてくれた時に心がぎゅってなる感じが、ハウの、ベックの魅力なんじゃないかな」、渡辺は「初めて出会った時は、ただ触りたい!撫でたい!ぎゅってしたい!という温かい気持ちにさせてもらいました」、モトーラは「安心感というか、その場にいるだけでみんなを癒してくれる、大丈夫だよと言ってくれるような存在だなと思いました」、長澤樹は「ハウがベックで良かったなとすごく思いました。会うと悩みや不安なことが一気に吹き飛ぶぐらい、優しくて輝いている存在です」と、それぞれベックに惹かれたポイントを語った。

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 本作でメガホンを取った犬童監督は、シナリオ作成段階では犬種まで想定していない中で、日本を代表するドッグトレーナー・宮忠臣からハウ役にベックを薦められた時、「まさかお前かという感じで、まったく想像にない姿だった。でもすぐ好きになりました、一目惚れでした!」と、出会った瞬間からベックに心を鷲掴みにされていたことを告白。キャスト、監督揃ってベックに骨抜きにされていたことが明らかになる一幕だった。

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 「撮影中のベックの可愛い一面は?」という話題では、田中がベックとの共演シーンに言及し「散歩のシーンで、本気で走っていい時とそうでない時があって、ベックは走るのが好きだから『用意スタートはいつですか?』という顔でしっぽを振っている。そして走り出すとめちゃくちゃ速い!自由奔放なベックに癒されながらの撮影でした」と笑顔で当時を振り返った。

 そんな田中とベックコンビとの共演シーンもある渡辺は、「田中さんとベックが見つめ合った時、一人と一匹が本当に愛おしかった!相性が良いんだなと思いました」としみじみコメントした。

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 犬童監督も、田中とベックの相性の良さを絶賛。「田中さんは、ベックと初対面の時もオープンマインド140%ぐらいで、警戒心ゼロで行くんですよ。2年ぐらい前から知り合いみたいなテンションで、躊躇がゼロ。そんなに心が開けるんだというのが驚きでした。ベックはベックで、腕を開いて田中さんを受け入れていたので『お前もすごいな』と(笑)」と、二人の印象的な出会いについて語った。さらに、「僕は映画で相当犬を撮ってきたけど、ベックを見て一番『演技というものをするんだ』と感じた。ベックが撮影に入ってくると、言葉で理解しているというより、人と人を感じているというか、動物の映画はそれがうまく成立するとちゃんと良くなっていくんだなと思いました」と、俳優犬・ベックが動物映画の名手・犬童監督をもうならせる力を持っていたことを明かした。

 本作を観て感動したポイントを問われた田中は、「完成した映画を観た時、そこにベックはいなくて『ハウじゃんお前!』と思って、全部感動しました。物語の途中でハウが民夫と離れてから一人でいるシーンで、ちゃんと一人でずっと芝居をしているのがすごい!雨宿りしながらしゅんとしている姿とか、“ズキュン”ですよ」と、そばでベックの演技を見守って来た田中ならではの目線でベックの熱演っぷりを絶賛。さらに「みなさん覚悟した方がいいですよ、この映画を観た方の、僕の読みでは95%の方が犬飼いたいなと思うはず!」とコメントし、会場からも大きな拍手が沸き起こった。

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 池田は「ハウと出会うことによって変わりゆく人間模様も、物語の大事なところ」としながら、「子が民夫に弱音を吐くシーンで、ハウと出会った後の民夫がかけてくれたある言葉が、役を越えて自分の中に残っています。理不尽なことや悲しいことがあったとき、こういう解消法があるのかとすごく腑に落ちたセリフがあるので、ぜひ探してみて欲しいです!」と、思い入れの深いシーンについて力強くコメント。

 渡辺は「ハウ以外にもたくさんのわんちゃんや猫ちゃんが出てくるところにも注目!」、モトーラは「ハウが一生懸命走っているシーン。いろんな人に出会ってハウが全速力で走っているところがもう、なんともいえない可愛さに、胸がきゅうってなります!」、長澤は「何度かハウが『ハウッ』と鳴くシーンで、なんでそこで鳴いたんだろうとか、どういう意味のハウなんだろうとか、考えながら観て感動して泣いてしまった。いろんな解釈があると思いますが、絶対感動するポイントだと思います!」と、それぞれ映画『ハウ』の見どころについて語った。

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 舞台挨拶の最後には、登壇者を代表して田中からメッセージが贈られた。「『ハウ』をすごく心が温まって多幸感に包まれる良い映画だと思えたのは、ハウの思いのまっすぐさがあったから。ハウは僕たちがなかなかうまくできないこと、見習わないといけないようなことをまっすぐぶつけてくれる。ハウの温かさも、ハウの思いで変わっていく人間の良さも全部受けて、自分もこうなりたいと思えるし、こういう世界がいいなとすごく思えて、ハウから学ぶことがたくさんある映画でした。みなさんもきっと観終わった後は、ハウはもちろん、自分自身の中で心温まるものがあって、その気持ちの向かう先や向かう相手など、いろんなことを思うんじゃないかな。映画を楽しんで、観終わった後の幸せな気持ちをおうちにもって帰って、ぐっすり寝て欲しいです!」と、優しい笑顔でコメントした。

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ストーリー

 婚約者にあっさりフラれ、人生最悪な時を迎えていた市役所職員・赤西民夫(田中圭)。

 横浜で一人空虚な日々を送る彼は、上司からの勧めで、飼い主に捨てられて保護犬になってしまった真っ白な大型犬を飼うことになってしまう。犬はワンと鳴けず「ハウッ」というかすれた声しか出せない。とびっきり人懐っこいこの犬を、民夫は“ハウ”と名付け、1人と1匹の優しくて温かい日々が始まった。民夫にとって最初は戸惑うことも多かったハウとの暮らしだったが、何をするにもいつも一緒な“2人”の絆は次第に深まり、いつしかかけがえのない存在となっていった。ハウと民夫の最高に幸せな時間はずっと続くと思っていたのだが…。そんな時、突然ハウが姿を消す。あらゆる手段を尽くしてハウを探す民夫だが、無情にも「ハウによく似た白い大型犬が事故死した」という情報がもたらされる。しかし、横浜から遠く離れた北の地でハウは生きていた!偶然のアクシデントが重なり、ハウは青森まで運ばれてしまったのだ。

 ハウは、大好きな民夫の声を追い求め、「もう一度、君に会いたい」という一心で青森から横浜・798キロの道のりを目指す。民夫はハウがいないという現実に苦しみもがきながらも、少しずつ向き合おうとする。民夫のそばで優しく寄り添う同僚の足立桃子(池田エライザ)の支えもあり、皆それぞれに悲しみを抱えながら生きていることを学んでゆく。一方、ハウは民夫を探して走る道中で、悩みや孤独、悲しみを抱えた人たちと出会う。震災の風評被害に心を痛める女子中学生の麻衣(長澤樹)。愛する夫(石橋蓮司)を亡くし、ひとりで傘屋を営む老女・志津(宮本信子)。深刻なDV被害に遭い、修道院のシェルターに保護された若い女性・めぐみ(モトーラ世理奈)。彼女たちに寄り添い心を癒していく。

 果たして、長い旅路を経てハウと民夫はもう一度再会することができるのか――。そこには、優しすぎる結末が待っていた──。

(c)2022「ハウ」製作委員会

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