「不思議な生物を撮影しました」とラジオ局に投稿されたある映像がいま、密かな注目を集めている。
「加古川の河口に生き物みたいなものが映った動画を撮った。番組で探ってくれないかと言われた。映像を見る限りデカイなと」
そのように語るのは、ラジオ関西『バズろぅ!』パーソナリティのわきたかしさん。問題の動画が撮影されたのは、兵庫県高砂市にある加古川の河口付近にある向島公園。地元では度々撮影されていたといい、向島公園で撮影されていたことから「ムッシー」と呼ばれていた。
実際に撮影された現場に足を運んだわきさんが、カメラを手に公園に来ていた男性に話を聞くと「ムッシーが見られるというので初めて見に来た」との答えが。さらに少年グループにムッシーについて話を聞くと「聞いたことあるが、見たことはない」との返事。付近の女性にも話を聞くと「川の真ん中あたりに山のような動いているものがあって…ネッシーのような」と驚きの答えが返ってきた。
ムッシーを捉えたとされる映像には、黒っぽい物体が河口付近の水面に見え隠れする様子が確認できる。また別の映像では、水面に浮上してまるで泳いでいるかのような姿も確認できる。見方によっては、複数が連なって泳いでいるようにも見えなくはない。その長さはおよそ4.5メートル。この付近の水深はおよそ3メートルだというが、巨大な魚が迷い込んでしまったのだろうか。
わきさんは地元漁協にこの映像を見せ、その正体を探ったが……
「(漁協関係者によると)例えば10メートルくらいのクジラが泳いで前に進むときに、泳ぎの特徴として体が川底に当たってしまうということで、クジラではない。スナメリという生き物もいるが、映像を見る限り青い影なので考えにくい。イルカとしても、泳ぎの特徴として絶対にヒレが見えてくる。漁協の人で生物に詳しい人が頭を抱え出したら、こちらもどうしようもない」
未確認生物といえば、1970年代後半に鹿児島県池田湖で目撃され、日本中で話題となった「イッシー」がある。体長10メートルから20メートルともいわれ、さまざまな調査が行われたが正体をつかむことはできなかった。巨大ウナギ説が有力とされているが、真相は不明のままだ。
動物研究家のパンク町田氏は「ウナギの一種という正体で十分おもしろいが、イッシーと巨大ウナギを結びつける接点の決め手が発見されていない」と語る。
2016年には北九州で「キッシー」なるものが撮影された。よく見ると不思議な物体がかなりのスピードで動いていることが確認できるが、この動画を撮影した投稿者は「恐怖を感じて走って逃げた」と語っている。
キッシーについて映像解析の専門家によると、「映像に加工の形跡はない」としたうえで物体の大きさは約10メートル、時速30~40キロの速さで動いていると分析されるという。
謎が謎を呼んだキッシーについては、のちに日本野鳥の会の理事が「これはヒヨドリの群れ」と断言。理事によれば「ヒヨドリは天敵のハヤブサから逃れるため、群れを成して海上スレスレを飛ぶ。大きさや速さも一致する」と説明した。
目の錯覚などによってそのような現象が謎のUMA(未確認生物)に見えてしまうことはあるが、それ自体はロマンだとパンク町田氏は指摘する。
「実際に捕まえたことのあるもので、未だに正体がわからないというのがスカイフィッシュ。20年ほど前に茨城県で捕獲したが、すぐに逃げてしまった。僕からするとUMAは夢なんです」
先月31日にABEMA『ABEMA的ニュースショー』に出演したわきさんは「私も何回となく見てる」と証言。その詳細について「個人的にあの場所によく釣りに行く。夜釣りとかしていたら、夜に黒い物体がビュ~っと泳いでいく背中の部分を何回か見ている」と述べると、今回調査をしてみて驚いたこととして「あまりにも目撃者が多い。20人ぐらいに聞いたら10人ぐらいは『これ、見たで』という。数百メートルくらい行ったら海。改めて怪獣かなと思う。地元でも無茶苦茶盛り上がっている」などと続けた。
では、専門家の意見はどうか。前出のパンク町田氏は「何らかの生物が正体であるというのは当たり前」としつつ「僕が見た感じではアシカの形にしか見えない。とくにオットセイが疑わしい」と断言する。
「気候が変われば海流も変わるでしょうし、環境が変化する。環境の変化に伴って動物たちもいち早く反応し、見慣れないものがいればそれは驚く。不思議に思うのは当然のことなので、皆さんの反応は当然」
第29代航空幕僚長の田母神俊雄氏は「魚とか動物とかそういう種類のものではないか」と推測する一方「人類が作り出した動物という話も出ているが、本当にあるのかは疑問に思っている」と懐疑的な見方を示した。また“軍事目的のイルカ”という説については「そういう研究もやっているという話は聞いたことがある」と話すにとどめた。
また漁師系YouTuberのはまゆうは「海がモコモコしているようにしか僕らには見えない。何かしらの現象によって波が起こっている。海は遠くから見た時に色が濃いところ薄いところがある。雲の影や水質によって変化するが、(今回の映像は)濃くなっている部分なので、より濃く見えたということだろう」と推測すると、わきさんは「夢がない!」と鋭くツッコんで顔をしかめた。(ABEMA『ABEMA的ニュースショー』)
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