終戦から77年を迎えた今年は、ロシアによるウクライナ侵攻や台湾有事への危機感から、安全保障に関する議論が盛んになっている。
13日のABEMA『NewsBAR橋下』に出演した橋下徹氏は「いざ戦争になった時、普通の暮らしをしている一般の人に戦うか戦わないか選べる権利を持たせるのかどうか、という話。歴史を踏まえて戦うという人もいれば、“俺はあんまりよく分からないから、今回はちょっと逃げて、様子を見てまた戻るわ”という人もいると思う。色んな考え方の人がいるわけで、戦うかどうかは最後は国民の自由だと。その点、今のウクライナは18〜60歳までの男性は国外に出られない。僕はそれは違う、日本ではそういうことをしてはいけないと思う。
この時期、日本のテレビ番組ではこういうことが話題になるし、そういう中で、国のために命を賭けるべきだという大きな意見、戦え、という意見の方が強くなる。僕もバカな政治家のために戦うつもりはないが、いざというときには戦うかも分からない。若い人たちでも、そういう思いがあれば戦えばいい。だけどやっぱり若い世代に国のために戦えとは言えない。できる限り生き残ってもらいたい。人生があと50年、60年と残っている若者、まだ家族を持っていない若者、逃げたいという者の自由を認めるべきだと思う。こういう僕のような考え方は少数派なのかな」と問題提起。
これにゲストの今田耕司は「非戦闘員には手を出さないというルールはあるけれど、守られないじゃないか。ニュースを見ていても、占領された時には被害に遭っている。それが家族や恋人だったら、自分の国も含めて、守るために戦わざるを得ないというか。昔の方々もそうだったと思う。それと、国に対する思いが外国の人と比べて日本人はやっぱり違うというか。“…国…、国が…。”みたいな。
でも、やっぱり国民みんなが愛している日本にはなってもらいたいじゃないか。僕も若い時には意識が低かったと思し、ポーンと生まれてきたみたいな感覚があった。年齢を重ねたり、いろんな番組を見せていただく中で、祖先には絶対に戦争が絡んでくる。自分の祖先の場合、魚雷が当たったけれど不発だったということがあって。そう思うと、僕が今ここにいることが本当にすごいことだなと思う。誰かが戦ってくれたりしたからだと思ってしまう。当たり前なんだけど、繋いでもらって今があるし、自分も次に繋いでいかないといけないなと」。
今田の話を受け、橋下氏は「確かに世論調査の結果、国のために戦うという人の割合が日本は低い。その理由について、教育が悪かったからだ、という人たちがいる。つまり日本軍が悪いことばっかりやっていたと教えていたからだと。実際、太平洋戦争の頃の政治、軍のあり方を調べれば調べるほど、本当にひどかったと僕も思う。そこまで信頼を置けない。一方で、一般の兵士の人たちは命を懸けてやってくれた。ここには敬意を表さないといけない。
逃げたいという気持ちを認めて、逃げる自由、選択肢を与えるかどうか、そこはこれから日本の安全保障を考えるときの、ひとつの争点になるのかなと思う」と話していた。(ABEMA『NewsBAR橋下』より)