VRなどの登場で変化するお化け屋敷の存在 『生き人形』制作会社の社長が語る今後の展望「名前は変わっても遊園地に残り続ける」
丸山工芸社が作る“生き人形”の数々

 「お化け屋敷」に欠かせないものといえば、おばけたち。ニュース番組『ABEMA Morning』では今回、全国でも数少ないこのおばけたちの生みの親を訪ねた。

【映像】丸山工芸社が作る“生き人形”の数々

 栃木県佐野市にある丸山工芸社が作るのは伝統工芸品の“生き人形”。無数に並ぶ生首や人形の数々は、白い肌、恨めしそうな目、生々しい表情など見た目も特徴的だ。実はこの「生き人形」こそがお化け屋敷に欠かせないものだという。

 真剣なまなざしで人形製作にあたるのは、大正11年から続く老舗の3代目、柳誠社長。

「お化け屋敷の中でも使えるような生き人形です。あんまりリアルにやると、今度は怖いというので、お客さんが入らない、近寄らないです。これが難しいとこで、やっぱり人形に見せて、ある程度人形にも人にも見えると、それは結局衣装を着けて、それの動作で作るわけです」

 作った「生き人形」は1000体以上。リアル過ぎず、人間に似せて作るのがコツだという。一つ一つ丁寧に手作りされる「生き人形」は、栃木県の伝統工芸品にも指定されている。

 丸山工芸社はこれまで、浅草花やしきをはじめとしたお化け屋敷の企画やプロデュースも手掛けるなど、まさに「おばけ文化」をけん引し続けた。しかし3年前、最大のピンチに見舞われる。近隣の火事が事務所や倉庫に飛び火し、守り続けてきた「生き人形」や衣装を失ってしまったのだ。

「展示室があって、ざっと200体くらい並んでました。(価値でいうと)大変な金額です。ですから、それを見せてお客さんに見せて、これはこういう人形ですとか。それを言って話したんだけども、もうそれが消えちゃいましたから、もうそんなことは夢物語でね。だからそれをまた再現しなきゃならないので難しいとこが今きてますね」

以前は倉庫で作っていた人形作りも、今は軒下での作業ですだ。

「人形は木ですから、みんなもう燃えちゃったりなんかして、もう何とも言えないですよね。自分で作って、それが稼いでくれたっていうのがみんななくなっちゃいました」

 復興はまだまだだとしながらも、
今年は宇都宮市にあるオリオン通り商店街で3年ぶりにお化け屋敷を開催。

 また、生き人形作りの技能とお化け屋敷のノウハウをもとに子供にも親しまれる「うらめしや」と生き人形の技術を全面に出した「妖師(あやかし)」の2つのブランドを立ち上げた。グッズ開発を行うなど、新たな一歩を踏み出したている。

 「生き人形」を製作する同業他社も減りお化け屋敷もまたVRやゲームなど、どんどんハイテクになる時代。それでも形を変えても残り続けると柳社長は話す。

「お客、オーナーにちょんまげや時代劇のお化けは終わりだよというふうに言われたことがある。その時はね、悔しかったけど。遊園地の支配人の考えひとつで。変わりましたよね。ところがやっぱりまた元に戻って来ました。やっぱり子どもたちがそれ以上の怖さ、テレビやゲーム機で見てますが、これはこれでいいかなと思いますよね。やっぱりそこに入って、はっと風が吹いたり、音が出て、それを自分の体に体験していくっていうのが一番、怖さがあるんじゃないのかな。ですから、遊園地中ではお化け屋敷って名前は変わってもね。残ると思います」

(『ABEMA Morning』より)
 

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