中国のモン・サン・ミッシェル? 干ばつで湖底が大地に…人工降雨ロケットも“焼け石に水”か
【映像】本来の「落星トン」 湖に浮かぶ姿はまさに“古城”のよう(画像あり)※7:19ごろ〜
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 江西省にある中国最大の淡水湖「ハ陽湖(※ハは正確には番の字におおざとへん)」が、干ばつ被害を受けている。現在はほとんど干上がり、面積は3割ほどに減少。江西省によると、異例の干ばつに約400万人の生活用水にも影響が出ているという。

【映像】神秘的&絶景すぎる…! 湖に浮かぶ寺院「落星トン」(画像あり)※7:19ごろ〜

 湖を通る水運業者は「一度の利益は例年より40万から60万円少ない。影響は大きい」と吐露する。水深が浅くなり、積荷を減らしての操業を余儀なくされている。

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 本来であれば、遥か彼方まで水が広がっていた「ハ陽湖」。

 奥に見えるのは、およそ1000年の歴史を持つとされ「中国のモン・サン・ミッシェル」かのような寺院「落星トン(※トンは正確には土へんに敦)」だ。普段は建物1階の足元まで水が迫っている落星トンも、今は盛り上がった大地の上に建っている。

 現地を取材するANN中国総局・北里純一記者はこう話す。

「このあたりの水はおよそ1カ月前になくなったということです。今は湖の底だった場所がカピカピになっています。ひび割れた場所を見てみると、ところどころに貝だったり、水があった形跡があります。とはいえ、今は草原のようになっていて、湖と知らずに来た人は『もともとこういう風景だったんじゃないか』と思うほど、草が生い茂っています」(以下、北里記者)

 周辺住民にはどのような影響が出ているのだろうか。また、住民に対し、何らかの経済的補てんは行われるのだろうか。

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「干ばつの被害は、日本でいう四国よりも大きい地域で発生しています。近くの田んぼ農家を取材すると、水がなくなってしまって『来月収穫予定だったのに稲が全部ダメになってしまった』と、本当にどうしようかと頭を悩ませていました。中国政府は昨日、日本円で2000億円規模の対策を行うと発表しましたが、取材に応えてくださった農家さんは、今のところ政府から保障などの話はないと話していました」

 例年は渇水期の秋以降に姿を現し、普段は陽湖の湖底にあるこの寺が今見えるとあって、周囲には人だかりができている。

「言い伝えでは、かつてこの落星トンに大きな隕石が落ちてきたそうです。それを祀ったのか、土台にしたのかわかりませんが、そういった経緯でできた寺院だという話も聞きました」

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 現地の気温は37〜38℃。北里記者によると、水不足なのになぜか蒸し暑く、じっとしていても汗が噴き出す日々が続いていると話す。

「私は中国に来て3年経ちますが、今年の夏は中国で統計史上最も暑い夏といわれています。一部地域では『人工降雨ロケット』が使われているという報道も出ていますが、これだけの広い範囲で被害が出ている中では“焼け石に水”といえ、人工降雨ロケットで劇的に状況が改善することは考えにくいです。まずは『人民の胃袋を満足させる』ことが中国を統治する者にとっての最重要ポイントですから、この基盤が揺らいでしまうと政権が危ない。だから、中国政府は多額の資金を干ばつ対策に注ぎ込むことを決めたのでしょう

ABEMA/「倍速ニュース」)

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