東大を卒業後、アメリカの超大手企業・マッキンゼーに勤務していた女性芸人が「人生は一度きり」「人目を気にしないでやりたいことを」と訴えた。
8月31日、テレビ朝日とABEMAが共同制作する「“ネオバズ”水曜日『2分59秒』」#47が放送。「人間の集中力は3分しか持たない」という仮説のもと、各界のスピーカーが制限時間2分59秒内でスピーチを展開した。MCは千原ジュニア、日向坂46・佐々木久美。
今回は本を出版した経験を持つスピーカーによる「私の本を読んでみて!SP」。東大を卒業後、アメリカに本社を置く超人気コンサルティング会社・マッキンゼーに勤務した異色の経歴を持つ芸人・石井てる美が「『人生は一度きり』他人の目なんか気にしてる場合じゃない」とスピーチした。
石井が10年前に出版した著書の名前は『キャリアを手放す勇気』。石井は子供の頃からエンタメ界へ憧れを持ちつつも、良い学校から良い会社に行くのを良しとする環境で育ち、そのルートから外れることができなかったという。しかしマッキンゼーに就職後、体調不良をきっかけに人生に思いを巡らせるように。「世間的に人気があっても、向いているものとやりたいことは違う」と考えたという。
そこで、「人生は一度きり」「生まれ変わったらやりたいと思っていた芸人に挑戦したい」と考えた石井。「そんな愚かな決断をしていいのかという葛藤があった。人目も気になった」と当時の心境を語った。藁にもすがる思いで書店に行き、勇気を後押ししてくれるような本を探したが、実際に著者自身がリスクを取った本には出合えず。自身の著書にはその時の「こんな本があったらいいな」という思いが込められているという。
石井は芸人歴13年。「大変だったけど上回るいいこともありました」「決断してよかったと思います」と熱弁し、「『もったいない』と言われるけど、キャリアを捨てたわけじゃない」「横においておくイメージ」と説明。スピーチの最後で石井は「やりたいことがあるけど一歩踏み出せない、そんな人の勇気になればいいな」「人目を気にしていると、自分が人生で損をしてしまいます」と訴えた。
夢を追った石井だが、ジュニアは「すごい勇気やけどなー、手放すにはちょっとデカすぎるもんね」と複雑な顔で、「決断までの日数はどれくらいですか?」と質問。石井は「決断からは1~2か月、七転八倒していました」と葛藤を改めて明かした上で、「後悔は全くないですね、外資系の企業なのでどっちにしろみなさん長くは働かないし、やらない方が自分は人生後悔してたなと思うので!」と胸を張った。
石井は著書の中で自分が考えた「今の仕事を続けるべき3つの条件」にも触れているそう。1・人より得意か、2・自分が好きか、3・その先に目標があるか、と3つの条件を挙げ、「当時の私は、その3つどれにも当てはまらないと気づいた」「周りにはもっと優秀な同僚もたくさんいて」「頑張っても追いつかないなと思ったので」とマッキンゼー時代を回顧していた。