新学期が始まるシーズン。3日の『NewsBAR橋下』では、いじめ対策やスクールカウンセラーのあり方について、橋下徹とゲストの副島淳が議論を交わした。
195センチの高身長とアフロヘアが印象的な、俳優・タレントの副島淳。蒲田生まれ、浦安育ちの38歳。母親は日本人で父親はアフリカ系アメリカ人だが、生まれてすぐに母子家庭で育ったため、つい最近まで実の父親のことは顔も名前も知らなかったという。いじめ、差別、貧しい家庭環境など自身の生い立ちを綴ったエッセイを出版。同様のテーマで学校を中心に講演活動も行っている。
そんな副島が提案するのは「スクールカウンセラー設置 義務化法案」だ。「自分がいじめを受けていた時に学校に相談できる場所がなかった。先生に相談したら事態が好転するどころか悪化してしまって、誰にも言えないつらい時期が続いた時、『いのちの電話』のようなものに勇気を出して電話した。相手は顔も名前も知らない女性だったが、数分話を聞いてもらうだけでめちゃくちゃ肩の荷が下りたので、第三者の大人に話を聞いてもらうのはすごく大事だと思っている。スクールカウンセラー1人以上とカウンセリングルームを各学校に常駐で設置することを義務化してほしい」と訴える。
この提案に橋下氏は「僕が大阪府知事の時にスクールカウンセラーを縮小していった」と明かすと、「大阪府の財政が火の車で、5500億円足りない状況だった。これを大改革して、いろいろなものを見直した時に、スクールカウンセラーも。“博物館が必要”“道路の工事が必要”、“スクールカウンセラーはこれからの時代、必要”、みんなからいろいろなことが“必要、必要”ってくるけどそこは平等に、障害者の施策と警察の治安維持の2つだけは残して、あとは一律で“何%カット”ということをした」と説明。
続けて、「お金がかかる施策がある中でどう優先順位をつけるかは、全国の自治体が悩んでいるところだ。もう1つは人材。専門的に勉強した人は限られていて、各学校に設置はできなくてもセンターみたいなものを作って、ITを活用して連絡を取れるようにしていこうということを僕は言ったが、設置義務まではできなかった。スクールカウンセラーの必要性は分かります」と話した。
副島も予算と人材の確保がネックになることは想定していたそうで、「自治体によって学校数も違うので国が動かないとダメだ。国は生徒の心のケアを大事だと捉えている一方で、それよりも優先順位の高いものがあるということだろうか」と尋ねる。
橋下氏は「例えば、大学を運営するだけで5兆円のお金がかかるし、幼稚園料や保育料の負担を減らそうと思ったら数千億円がかかる。何をやるにしても“お金、お金”となってくる中で、今言われているのは防衛費の増額。これを日本のGDPの2%まで上げようと。政治家も文部科学省もみんなスクールカウンセラーは必要だと言っているけど、全体の中で後回しにされている現実がある」と答えた。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)