世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が22日午後、安倍元総理銃撃事件後から3回目となる会見を都内で開いた。「教会改革推進本部」の本部長に就任した勅使河原秀行氏が教会改革の方向性を説明したが、質疑応答では教会側と記者が応酬を繰り広げる場面もあった。
【映像】応酬のあった質疑応答 「もう(質問)切って」は10:14~
会見に臨んだ勅使河原氏は冒頭、「今回の安倍元首相の銃撃事件以降、様々な報道を通じて世間を大変お騒がせしましたこと、ならびに日本国政府、そして国会議員の皆さまに大変なご迷惑をお掛けしましたことを心からお詫び申し上げます。大変申し訳ありませんでした」と謝罪。
教育改革の方向性として、民事裁判等で問題とされたような献金奨励・勧誘行為はしてはならないといった「2009年コンプライアンス宣言時からの指導の徹底」を行うことや、信者が献金のために借金をするなど「過度な」ものとならないよう指導基準を追加することなどが示された。
20分弱ほどの説明ののち質疑応答に移ると、4番手でマイクの前に立ったTBS『報道特集』キャスターの金平茂紀氏は「テレビ報道の立場から元信者の方など被害の実態を取材した実感と、勅使河原さんがおっしゃっていた今後の改革と称するものの方向とであまりにも落差がある。最初に謝罪をされたが、過去の教団の加害行為で実際に被害を被った方たちになぜ詫びないのか。献金は聖なるものとおっしゃっていたが、そういう宗教的な理念に基づくと、生活が圧迫されても“献金しなきゃいけない”と思う信者がいても不思議じゃない。内輪でそういうこと(教会改革)をやってどれだけの効果があるのか」と指摘する。
勅使河原氏は「例えば、私も信者で献金をするわけだが、被害を受けたとは思っていない。そして、ほとんどの家庭連合の現役信者の方々は感謝して捧げて、日常の生活を送っている。昔、霊感商法の被害ということで拉致・監禁という問題があったが、その証拠として弁護士の方々が『家庭連合を訴えろ』と。感謝して捧げていたものが『あなた騙されてるんだ』と何度も言われたら、“そうなのかな”となる場合もあるのではないか。私たちは基本的に感謝して喜んでやっているわけだが、そうでない方がいたら一人ひとりの事情を聞かないと判断できない」と回答。
また、「政治家は教団との関係を一切断つと言っている」と投げかけられると、「誠に残念なことだと思う。例えば、霊感商法が今でも行われているかのような報道、それを主導していると思える左翼弁護士の方々の影響が多分に日本国民をミスリードしているのではないか」と主張した。
この点について、同席した顧問弁護士の福本修也氏も言及し、「2009年にコンプライアンス宣言が出て、信者が経営する会社における物販活動、勧誘商法は一切なくなっているのは間違いない。それ以降の13年間、“霊感商法だ”と統一教会を訴えて損害賠償を求めたものは一切ない」と語気を強める。
さらに、金平氏が「ならば、なぜ7月8日のようなことが起きたのか」と追求すると、「よろしいですか。あの事件のお母さんが献金されたのは1990年代だ。それが20年以上経て、山上容疑者の恨みとしてあのようなかたちにはなったが、1990年代の話はコンプライアンス宣言の遥か以前の問題だ」と反論し、司会に「もう(質問を)切ってください」と促した。
一方、金平氏は「今までの改革と称するものを聞いていて、過去の自分たちの行いに対する真摯な反省の上に立った改革には全く聞こえなかった。むしろ、今政府が被害対策の取り組みをしたり、メディアの追求が激しくなったことへの組織防衛にしか見えない。なぜならば、第三者を全く入れてないからだ。そういう見られ方をすることについてはどう思うか」と切り返す。
勅使河原氏は「それは1つのご意見として参考にしたいと思う。いずれにしても、今回私たちがやろうとしているのは、舌先三寸で急場をしのぐようなものではなく、本当の意味で宗教として尊敬と信頼を受けるように変わっていかないといけないということを真剣に議論した結果だ。もちろん過去のことがあって、そんなこと(改革)は信じられないと思われていると思うが、これからの実際のあり方を見ていっていただくしかない」と述べた。(ABEMA NEWS)