世界No.1オーディション番組『Got Talent』の日本版『Japan's Got Talent』が2023年2月11日(土)よりABEMAにて配信される。同番組は、日本芸能界屈指の審査員4名が、世界中のさまざまな才能を持った未来のスターとなり得る原石を日本で発掘する公開オーディション番組。すでに、審査員をダウンタウンの浜田雅功、アーティストのGACKT、俳優の山田孝之、女優の広瀬アリスが務めることも発表されている。優勝者には1000万円、さらに推薦した人が優勝した場合、推薦者にも100万円が贈呈されるという日本版ならではの新ルールもある。応援アンバサダーには、これまで10ヵ国以上の「Got Talent」への出場経験を持ち、フランス版のGot Talent『La france a un incroyable talent』では、ゴールデンブザーを獲得し、見事、決勝進出を果たした、世界的パフォーマーのウエスPが就任。記念すべき『Japan's Got Talent』の開催について、そして自身のパフォーマンスについて話を聞かせてもらった。
フランスで大ウケし驚き「スタンディングオベーションに、割れんばかりの拍手、そして何故か、万歳三唱」
――この度は、応援アンバサダーへの就任、おめでとうございます。まずは就任した感想と意気込みを教えてください。
アンバサダーになるのは生まれて初めてです。それが日本の「Got Talent」ということで、とてもうれしいです。僕はこれまで世界の「Got Talent」にお世話になってきたので、恩返しをしたいし、どんどん盛り上げたいと思っています。
――ピッタリのキャスティングですよね。ウエスPさんは「Got Talent」きっかけでブレイクされましたが、どういう経緯で出演されることになったんですか。
扇風機でのテーブルクロス引きをSNSにアップしたことをきっかけにダイレクトメッセージでオファーをもらいました。扇風機の動画アップからわずか2週間でドイツ版の「Got Talent」に出演して、その次にジョージア、イギリスという順番で、最終的に12か国くらい出させてもらいました。
――すごいですね。最初、オファーがあったときはどんなお気持ちでしたか。
最初はウソだと思いました(笑)。吉本に伝えて、番組とやり取りをしてもらい、すごい番組なんだということがわかりました。そのときは、マジか…という気持ちでした。それまで、一番遠くても大阪までしか行ったことなかったのに、いきなりドイツに行けと言われて。マネージャーも誰も来てくれなくて、たった一人で行ったんですよ。緊張しましたが、ネタは超盛り上がりました。このパフォーマンスはウケるんだ、という確かな手ごたえをもって日本に帰ってきたことを覚えています。
――最初の出演から手ごたえがあったんですね。フランスの「Got Talent」では決勝に進出されて、とくに話題になった印象があります。
ゴールデンブザーをもらったので、一番ウケたのはフランスかもしれないですね。ウケすぎてパフォーマンスが止まっちゃって。テーブルクロス引きをやった瞬間に客席の全員が立ち上がってスタンディングオベーションをしてくれたんです。いや、まだ続きがあるんだけどな…という感じでしたが、客席は大盛り上がりで、スタンディングオベーションに、割れんばかりの拍手、そして何故か、万歳三唱までしてくれました。
――すごい盛り上がりですね。どんな心境でしたか。
正直、なんだこれ…という(笑)。日本では経験したことがないような盛り上がりで、ビックリしたと同時に、でもめちゃくちゃ気持ちよかったです。
――その後の反響はいかがでしたか。
街を歩いていて声をかけてもらうことはありました。あとは、フランスの家具屋のCMにも出演しました。ソファのCMで、ソファの上でテーブルクロス引きするという演出でした。日本も含め、いろんな仕事につながりましたね。ゴールデンブザーは強かったです。
――世界でご活躍するようになってから芸風は変化しましたか。
それまでは日本向けにやっていましたが、それ以降は海外を意識してネタ作りするようになりました。SNSにアップする動画は、ほとんど日本語を話さず、タイトルも英語やフランス語にしています。僕の芸風は海外の人のほうが気に入ってくれる人が多いような気がしたので、世界中の人が見てわかりやすいものを作っています。
――日本と海外の笑いの違いを体感しましたか。
日本のコントや二人の立ち話のような漫才は伝わりにくいのかもしれないですね。海外では、僕のようなパフォーマンスやダンスなどが受ける印象があります。
「テーブルクロス引きに必要なものは勇気、それだけです」
――もともとウエスPさんが芸人を目指したきっかけや、今の芸風になった理由を知りたいです。
1番のきっかけはダウンタウンさんへの憧れです。学生時代に『ダウンタウンのごっつええ感じ』などのコント番組を見て、僕もあんな風にコントをやりたいと思ってNSCに入りました。最初は、コントや漫談をやっていましたが、全然ウケなかったんですよね。そんなとき、テレビの企画でショートネタのブームがあって、僕もなにかあるかなって考えたときに、たまたま思いつたいたのがテーブルクロス引きのネタでした。それがウケたので、もしかしたらこういう芸風が自分には向いているのかもしれないと思って、SNS上に投稿するようになっていって、今に至る感じです。
――たまたまと言っても、練習も大変だと思いますし誰もができることではないですよね。
でも、テーブルクロス引きに必要なのは、コツよりも勇気だったりするので。みんなやらないじゃないですか。それをやってみようと思ったことと、実際にやった勇気。それだけですかね。
――TikTokフォロワー数は1000万人を超える大人気ですが、動画を投稿するうえで気を付けていることやコツはありますか。
TikTokに関しては、世の中で流行っているものを自分のパフォーマンスに取り入れたりしています。流行の曲を使ったり、海外でもちょっと流行っているものを織り交ぜてみたり。なんとか飽きさせないようにするようにしているつもりです。
――時代に合わせているんですね。今後、新しく考えている活動などあれば教えてほしいです。
コロナ渦は、オンラインを中心に活動してきましたが、やっと実際に生でパフォーマンスする時期になって来たと思います。今年、来年くらいには改めて海外で、人前でパフォーマンスしたいと思っています。
――是非、日本でのパフォーマンスも観たいです。最後に『Japan's Got Talent』に出場したいと思っている人たちにアドバイスとメッセージをお願いします。
海外の「Got Talent」では、歌やダンスパフォーマンスをする人、わかりやすいテクニックを持っている人が勝ち上がりやすいです。芸達者の犬やサルが活躍する可能性もあるかもしれません。バックボーンで感動させるというパターンも…。ある意味、「世界一ハードルの低いオーディション番組」なんです。日本ということもありますし、僕は芸人として同じ芸人が頑張っている姿も見てみたいなって思っています。とはいえ、なんでもありなので、一芸を持っている人はどしどし応募してほしいです!
取材・文:氏家裕子
写真:mayuko yamaguchi