ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」"東京の陣"で広尾倖児役を演じた、俳優の佐藤たかみちが、2.5次元界のスターを発掘するオーディションに参加。その審査員を務めた演出家の植木豪氏に、アイドルではなく俳優として成功したいという想いを、佐藤が涙ながらに語る場面があった。
サバイバルオーディション番組『主役の椅子はオレの椅子 シーズン2』#1が、9月29日（木）夜11時から放送された。
『主役の椅子はオレの椅子 シーズン2』とは
『主役の椅子はオレの椅子 シーズン2』は、2.5次元界のスターとなる新たなエンタメ舞台の主役5人を選ぶ、サバイバルオーディション番組。オーディションは、2.5次元ミュージカルを数多く手掛けるネルケプランニングを中心に、講談社、キングレコード、ABEMAの4社によって開催され、演出家の植木豪氏が総合プロデューサーを務める。
オーディションを勝ち抜いた5人の若手俳優は、新たな2.5次元俳優ユニットとして活動。選ばれた5人をオリジナルキャラクターとする、舞台、コミックス、音楽、映像など、メディアミックス作品として世に送り出される。審査の種目はダンス、ラップ、アクロバット、歌唱、芝居など多岐にわたり、各種目の特別講師が課題を与えて審査を行い、毎回トップ5を発表。種目別審査の結果が加味され、最終審査に合格した5人が主役の座を手にする。
本番組のオーディションに参加するのは、赤羽流河、今井俊斗、打越漣、小椋涼介、小黒直樹、熊谷晟那、弦間哲心、佐藤たかみち、高橋聖那、千葉彗太、中原弘貴、秦 健豪、古田伊吹、Lil Noah、Rayshyの15人。スタジオでは、シーズン1に引き続き、歌舞伎俳優・尾上松也がMCを担当するほか、2.5次元舞台等で活躍中の俳優・荒牧慶彦がゲスト出演する。
アイドルではなく俳優として成功したい
今回のオーディションに参加するにあたり、佐藤たかみちは、ある悩みを抱えていた。芸歴6年目の24歳。過去には、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」"東京の陣"に出演し、広尾倖児役を演じたこともある、若手俳優だ。ダンス、芝居、歌唱の3種目が行われた一次審査には、50人の若手俳優が参加。佐藤はその中から、候補生として本番組に出演する15人に選ばれた。しかし、総合プロデューサーの植木氏から一次審査通過を知らされても、佐藤はどこか不安げな表情。「もしこれが最後までいった時、メインの活動はアイドルみたいなことになるんですか？」と、植木氏に尋ねたのだった。
本オーディションを勝ち抜いた5人の若手俳優には、芝居や歌など、さまざまなスキルが求められる。しかし、佐藤が目指しているのは、あくまでも俳優としての成功。アイドル的な売れ方をするのは、本望ではないのだという。「俳優として売れていきたくて、お芝居で成り上がっていきたいなという…」「アイドルみたいな感じになってしまうと、正直ちょっと僕はやりたくないなと思ってしまっていて」。佐藤は涙で声を震わせながら、歌やダンスに挑むことへの葛藤を、素直に打ち明けた。勇気を持って、自身の想いをしっかり伝えた佐藤を、MCの尾上は「よく言ったね」と称賛。ゲストの荒牧も「やりたいことがはっきりしているのがいいですね」と高評価した。
迷いを捨て目指すは頂点「やるにはてっぺんとらないと」
植木氏は「その気持ちはわかるよ」と佐藤に共感しつつ「本当に俳優として向き合うのであれば、いろんな技術をちゃんと磨いて戦っていかなきゃ絶対勝てないと思う」と、俳優として生き抜いていく上での、厳しい現実に言及。続けて「俺自身は芝居ができて、ずっと戦える奴を探して、そいつらを集めて舞台界に風穴開けてって思ってつくっている。今回オーディションで集めていくみんなで、とんでもないパンチをくらわせようと思っているから、歌ったりダンスしたりっていう審査もしてみた」と、ダンスや歌唱の審査を取り入れた理由を説明した。
佐藤は涙をこぼしながら、植木氏の言葉に耳を傾け、「ダンスとか歌は好きではない？」と聞かれると、「好きなんですよ」と即答した。だがその一方で「でも全然ダメなんですよ。今はそのレベルが」と、歌やダンスのスキルに自信がないことを告白。そんな佐藤に、植木氏は「たぶん俺たちの仕事って、楽しい瞬間っていうのは一瞬しかない。好きなことなんだけど、本気で戦わないと、この世界では勝てないよ」と諭し、続けて「一緒にやったことが武器になるような時間を過ごしたいなと思った」と熱く語りかけた。
植木氏の言葉に、心を突き動かされた様子の佐藤。「戦います」と、本気で戦うことを植木氏の前で宣言した。その後、インタビューに応じた佐藤は、清々しい笑みを浮かべていた。当初、抱えていた悩みは、すっかり晴れたようだ。「俺はダンスできます、歌できます、全部いけますって言えるようになりたいですね。やるにはてっぺんとらないと」。歌やダンスへの苦手意識を克服し、主役の椅子を勝ち取ることはできるのか。今後の成長が楽しみだ。
次回、候補生たちは3人1組となり、チームでダンス審査に臨む。予告映像には「2人の審査にも響いたらと思うと、すごく申し訳なくて…」と涙する候補生の姿も。果たしてどんな戦いが待っているのか？『主役の椅子はオレの椅子 シーズン2』#2は、10月６日（木）夜11時から放送される。
